小林陵侑と葛西紀明の師弟愛 高3でスカウト、どん底で初めて授けた「葛西メソッド」
シーズン中に小林陵が助言を求めに来ることも
小林陵は総合優勝したシーズンにも、短期間ではあるが調子を落としたことがある。W杯の連勝が歴代最多タイの「6」で止まると、その後は7位、7位、5位、3位。優勝から遠ざかると次の試合は14位に沈んだ。
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試合後、シーズン中にあまり助言を求めたことのない小林陵が「どうやって飛んでいいか分からない」と相談に来ると、葛西は「悪くないから何も変えずに飛べばいい。助走でお尻が下がるのだけ気をつけて」と伝えたという。翌日の試合ではブーツの変更も奏功して、6戦ぶりの優勝を飾った。
ノーポイントをいじられた時のことを、小林陵は「見返すぞとは思わなかったけど、悔しかったですね」と言う。葛西を見返す気持ちではなく、自分に向けられた悔しさ――。レジェンドのメッセージはしっかりと、教え子に伝わっていた。
(小林 幸帆 / Saho Kobayashi)