愛される天然キャラ、モーグル堀島行真の素顔 大学の恩師が明かした“退学危機”の秘話
「4年で卒業できず申し訳ない」悩んだ末の結論は…
一方で、そのまっすぐな性格のあまり、思わぬ岐路に立ったこともある。
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「4年生の一番最後に単位が1個引っかかって、卒業できない事態になった。彼は卒業を半期延ばすのか、ここで退学するかっていう選択に迫られたんです」
堀島が落とした科目は英語だった。來田さんによれば、堀島は「海外に出ていくから外国の選手とコミュニケーションを取れる力をつけたいと履修をすごく希望」していた。必修科目の英語に加え、自由選択でも英語を受講した。
だが、もともと英語は出席が厳しい科目だった。英語の先生に英語でメールを送り、思いは伝えたが単位は認められず、堀島は「少なからず動揺していた」と來田さん。堀島自身、大学のトップアスリート対象の奨学金をもらっており、「4年で卒業できず大学や応援してくれた先生方に申し訳ない」との思いもあって悩んだという。
「普通だったら冬に出席が減るのが分かっているんだから、出席が厳しくない単位を取るはずなんですよ。損得勘定する人間は。でも彼はそうじゃなかったんです。そこに彼のすべてが出ている気がしますね。あえて難しくても、それを選ぶ。選んで失敗もするんだけど、それを達成していく。競技的に生きていますよね。人生がアスリート的なんですよ。英語の単位の取り方にも出ている」
自分の気持ちを紙に書いて整理し、最後は半年延ばしての9月卒業を決意。來田さんは「途中でやめちゃわないで、半年延ばしたことを誇りに思っています」と称える。
「そして彼はやり続けているんですよ。喋れるように」
国際試合のインタビューで流暢な英語を使う姿が増えたのは、ひたむきな努力の裏返しだった。