小林陵侑は「金メダル大本命」 葛西紀明が語るライバル4人と「無敵」復活への期待
五輪連覇中のストッフとW杯元王者クラフトの不調は“スリップ癖”と分析
ガイガーは今季4勝でW杯総合首位に立つ。NHも得意で昨季の世界選手権では銀メダルを獲得。過去3シーズンのW杯NHでは5戦中3勝、残り2試合も表彰台に上がっている。
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2019年の世界選手権LH金メダリストのアイゼンビヒラーは、今季未勝利ながら安定した成績で総合6位。この選手にとって小林陵は「天敵」とも言える存在だ。小林陵は大ブレイクした2018-19シーズンにドイツで開催されたW杯7試合で4勝を挙げているが、その4戦すべてで2位だったのがアイゼンビヒラーで、地元でW杯初優勝という最高のシナリオをことごとく阻まれることに。得点差もわずか0.4点(飛距離換算で22cm)にフライングヒルで200メートル超えを2本飛んで0.5点差(42cm)と、ダメージを与え続ける結果に、小林陵も「申し訳ないです……」と苦笑い。ドイツメディアでは「トラウマ」という言葉で語られていた。
グラネルは昨季開幕早々にW杯初勝利を挙げると一気に5連勝し、シーズン11勝でW杯総合王者となった。今季1勝で総合3位につけるが、ごくたまに派手に失敗する印象も。昨年11月にW杯初勝利を飾っている総合5位のラニシェクのほか、直近のW杯で勝利を重ねた総合4位のマリウス・リンビク(ノルウェー)もメダル争いに絡んでくるだろう。
この数シーズン、常にトップ争いをしてきた選手に平昌大会で五輪連覇を遂げたカミル・ストッフ(ポーランド)と、W杯総合優勝2度のシュテファン・クラフト(オーストリア)がいるが、今季は両選手とも本調子には遠い成績が続く。葛西は「たぶん(踏み切りで)スリップしているので、それが直らないとちょっとトップの人には敵わないんじゃないかな」と分析する。葛西自身も長年悩まされているのがこのスリップ癖だが、稀に急に直ることもあるそうで、実績十分の2人なら五輪に合わせてきても不思議ではない。
小林陵は1月6日のジャンプ週間最終戦で5位に終わると、その後の5戦は4位、5位が続き、第18戦で優勝するまで表彰台から遠ざかった。それまでハイペースで勝ち続けていたこともあり、葛西も「ジャンプ週間の後は疲れも見えてきていて、明らかに(パフォーマンスが)落ちてきている」と少し心配そうにすると、理由として長期遠征による疲労を挙げた。