PCR検査は「100回どころじゃない」 大所帯のアイスホッケー白星の裏に独自の感染対策
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載する。 アイスホッケー女子が3日、北京五輪の開幕に先立ってスタートし、3大会連続出場の日本代表(スマイルジャパン/世界ランク6位)は1次リーグB組の初戦でスウェーデン(9位)を3-1で破り、白星発進した。新型コロナウイルスの影響でこれまでの強化は難航。予定していた強化試合が相次いで消滅するなかで、4年前からレベルアップした姿を披露した。目標は高く、1次リーグ全勝を目指す。(取材・文=水沼 一夫)
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#8 オミクロンの影響で直前の強化試合が次々消滅
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載する。
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アイスホッケー女子が3日、北京五輪の開幕に先立ってスタートし、3大会連続出場の日本代表(スマイルジャパン/世界ランク6位)は1次リーグB組の初戦でスウェーデン(9位)を3-1で破り、白星発進した。新型コロナウイルスの影響でこれまでの強化は難航。予定していた強化試合が相次いで消滅するなかで、4年前からレベルアップした姿を披露した。目標は高く、1次リーグ全勝を目指す。(取材・文=水沼 一夫)
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スウェーデンとはソチ、平昌の過去2大会も初戦で対戦し、連敗していた。その結果、日本は1次リーグで敗退しており、今大会でも今後の流れを占う試合だった。
日本は第1ピリオド終盤、DF小池詩織(道路建設ペリグリン)の得点で先制すると、同点に追いつかれた後の第3ピリオドでFW浮田留衣(ダイシン)が決めて勝ち越し。さらに追加点を挙げて、突き放した。
日本出発前は、新型コロナウイルスとの闘いが続いた。アイスホッケーの五輪代表は選手だけで23人の大所帯。個人競技と異なり、1人感染者が出るとチーム全体に影響がある。そのため、拠点となった北海道での代表合宿では徹底した感染対策を敷いてきた。
独自のバブル方式を組み、PCR検査はほぼ3日おき。「何回検査をやったか……。100回なんてものじゃない」との声も漏れるほどだった。宿舎で選手は1人部屋を割り当てられ、部屋の行き来は禁じられた。万が一の時の影響を最小限に防ぐためで、「合宿中の濃厚接触者ゼロ」を目指しての対応だった。練習場では、一般人の入り口と動線を分け、選手は裏口を使って出入りするなど、不自由な環境を我慢した。
バブルの中には、練習相手の高校生にも入ってもらった。近場であっても、同じようにホテルの個室に宿泊してもらい、検査や行動制限で協力をお願いした。厳格なルールに最初は練習試合を引き受けてくれる高校はなかったが、徐々に理解を得られた。一貫した対策で、感染者を1人も出さなかった。