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アスリートも勉強が必要である理由 スロバキア最難関大学を卒業した羽根田卓也の考え

羽根田が中高生に伝えたい「自分の意思を持って」【写真:荒川祐史】
羽根田が中高生に伝えたい「自分の意思を持って」【写真:荒川祐史】

次世代の中高生へ伝えたい「勉強も自分の意思を持って」

――中高生にとっては競技以外に最も身近に触れるものが学業。大学生になれば、より社会と触れる機会も増えるかもしれません。競技以外でどんな経験をするかが、必然的に人間力に繋がり、それが競技に還元されていきます。

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「その通りです。その上で、勉強も自分の意思を持ってやってほしいです。学校という枠で、この時間割で、なんとなく宿題が出され、先生に怒られるから仕方なくやるということではなく、自分の意思を持つこと。この科目が自分の将来や競技にどう生きていくか。自分で選択し、自分の足で道を進んでほしい。一つ一つ部活動なり学校なり枠の中で生きているけど、自分の足で立ってみて選択して、何事にも取り組んでいってほしいです」

――羽根田選手のように海外の大学に挑戦し、学びを得たアスリートの言葉は次世代の子供たちにも説得力を持ちます。

「勉強で得た知識なんかは別に大きなものではないのですが、一番は諦めない。食らいつくこと。『俺は卒業するんだ』と心に決めて、実際に卒業ができた。やると決めたものは諦めなければ、達成できるということ。本当は大学1、2年でもう無理だ、やめようと思いました。でも、みんなに励まされながら、やると決めて、努力する情熱をみんな見てくれる。自分がやると決めれば勉強も捗るようになりました。

 やってやれないことはないということは一番学びました。それは競技を通してより大学で学ばせてもらいました。海外留学に行きたい子に相談されることがありますが、よく『言葉の壁が……』と言います。でも、そんなものはありません。(言葉の)壁なんて、どこにもありません。『壁を作っているのは君だよ』といつも言います。やってやれないことはない、不可能なことはないと、僕自身が身をもって学んだので」

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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羽根田 卓也

リオ五輪カヌー銅メダリスト THE ANSWER スペシャリスト

1987年7月17日生まれ。愛知・豊田市出身。ミキハウス所属。元カヌー選手だった父の影響で9歳から競技を始める。杜若高(愛知)3年で日本選手権優勝。卒業後にカヌーの強豪スロバキアに単身渡り、スロバキア国立コメニウス大卒業、コメニウス大学院修了。21歳で出場した2008年北京五輪は予選14位、2012年ロンドン五輪は7位入賞、2016年リオ五輪で日本人初の銅メダル獲得。以降、「ハネタク」の愛称で広く知られる存在に。東京五輪は10位。2022年1月、パリ五輪を目指し、現役続行することを表明した。175センチ、70キロ。

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