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京大初の“学生記者団”が設立された理由 発起人の4年生・野球部前主将が語る狙いとは

昨年10月末、京都大学の4年生・脇悠大(農学部/膳所高)が創立後初となる学生記者団「京大ベースボール」を発足させた。硬式野球部の活動を中心にホームページ上で情報を発信し、将来的には取材対象を大学内の他のスポーツ団体にも広げて発信していく予定だ。

京大硬式野球部で主将を務めた4年生の脇悠大【写真:本人提供】
京大硬式野球部で主将を務めた4年生の脇悠大【写真:本人提供】

農学部4年の脇悠大、昨年10月に「京大ベースボール」を設立

 昨年10月末、京都大学の4年生・脇悠大(農学部/膳所高)が創立後初となる学生記者団「京大ベースボール」を発足させた。硬式野球部の活動を中心にホームページ上で情報を発信し、将来的には取材対象を大学内の他のスポーツ団体にも広げて発信していく予定だ。

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 脇は昨年まで硬式野球部の主将を務め、中軸打者として活躍。大学卒業後にどんなステージにも進めそうな経歴を持つ脇が、なぜ引退後すぐに学生記者団を立ち上げたのか。その理由や背景を本人に聞いた。(取材・文=笠川真一朗)

   ◇   ◇   ◇

「記者団を設立した一番の理由は『京大の野球部に優勝してほしい』という純粋な気持ちからです」

 脇は開口一番にそう言い切った。

「京大で野球が上手くなりたい」と、滋賀県髄一の進学校・膳所高校から京大の門を叩くと、下級生の頃からメンバー入りし、2年時から4番を任されるなど順調な活躍を見せた。しかし、試合に出場して活躍すること以上の衝撃が脇を待っていた。

「試合に出ていても出ていなくても、結果が出ても出なくても、チームのためにならなんでもする先輩たちの姿勢に大きな衝撃を受けた」

“先輩たち”の姿勢は、チームスポーツなら当然のことだと思う読者は多いだろう。だが、決してそうではない選手も実在する。

「京大で野球をやるまでは、チームの勝ち負けは自分の中でそこまで重要じゃなかった。個人として結果を残すという価値観が圧倒的に大きかった」

 そんな脇の「自分本位」な考え方を大きく変えたのが京大野球部だった。勝利に向かって団結するという価値観を知り、それが自身の成長につながった。だからこそ主将に選ばれ、チームの勝敗によって得られる様々な感情を最も実感できた。

 脇は野球部に感謝しているからこそ、その恩返しとして記者団を設立した。では具体的に、どのように恩返しをしたいのだろうか。

「そこを考えた時に主将としての経験が活きると思いました」

 当時から直面していた“良くない現状”と向き合った。それは金銭面の問題だ。

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笠川 真一朗

1994年生まれ、奈良県出身。龍谷大平安高の野球部マネージャーとして2011年夏の甲子園に出場。立正大学でも野球部マネージャーを務めた。卒業後は百貨店勤務からお笑い芸人の道に進んだ異色のキャリアの持ち主。現在はスポーツライターとして活動し、野球を中心に取材の幅を広げている。

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