[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

勤勉な日本人が見誤る指導の本質 スペイン戦術家が重視する“理論より人間性”の意識

シャビ・アロンソが指導者として放つ強烈な求心力

「結局のところ、指導者本人のパーソナリティ次第なんだよ」

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 レアル・ソシエダの育成年代の頂点であるBチームを率いるシャビ・アロンソ監督は、そう語っていた。昨シーズンは就任1年目で、10代の選手を中心に2部昇格を果たし、「次世代の名将候補No.1」と言われる。レアル・マドリードも、FCバルセロナもBチームは3部以下だけに、彼の指導力の高さが伝わるだろう。

「どのようなサッカーをしたいのか。監督は、そのイメージが自身の中にないといけない。私は子供の頃から『もっとサッカーを理解するには?』って、いつも自分に問うてきた。90分間プレーして勝った負けたで終わりなんて、あり得ない。どこで何をすれば良かったのか、どうすればもっと向上できるのか、そのためには何が必要か、ずっと考えてきた」

 現地で取材した時、シャビ・アロンソは若手に対する求心力が強烈だった。ボール回しをする若い選手たちの背中を押すように、彼が「オンド!」(バスク語でいいぞ!)と声をかけると、力を得たように活気が漲った。選手たちの表情は一様に明るく、集中していた。

 監督の指導とは、その練習環境を作ることこそ本分だ。

(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)

1 2 3

小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集