勤勉な日本人が見誤る指導の本質 スペイン戦術家が重視する“理論より人間性”の意識
シャビ・アロンソが指導者として放つ強烈な求心力
「結局のところ、指導者本人のパーソナリティ次第なんだよ」
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レアル・ソシエダの育成年代の頂点であるBチームを率いるシャビ・アロンソ監督は、そう語っていた。昨シーズンは就任1年目で、10代の選手を中心に2部昇格を果たし、「次世代の名将候補No.1」と言われる。レアル・マドリードも、FCバルセロナもBチームは3部以下だけに、彼の指導力の高さが伝わるだろう。
「どのようなサッカーをしたいのか。監督は、そのイメージが自身の中にないといけない。私は子供の頃から『もっとサッカーを理解するには?』って、いつも自分に問うてきた。90分間プレーして勝った負けたで終わりなんて、あり得ない。どこで何をすれば良かったのか、どうすればもっと向上できるのか、そのためには何が必要か、ずっと考えてきた」
現地で取材した時、シャビ・アロンソは若手に対する求心力が強烈だった。ボール回しをする若い選手たちの背中を押すように、彼が「オンド!」(バスク語でいいぞ!)と声をかけると、力を得たように活気が漲った。選手たちの表情は一様に明るく、集中していた。
監督の指導とは、その練習環境を作ることこそ本分だ。
(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)