錦織、2年ぶり4強なるか 「調子に波」あるチリッチ、攻略のポイントは?
楽天OPでチリッチが苦しんだボールとは…
綿貫は今年10月に弟・陽介のツアーコーチとして帯同した楽天ジャパン・オープンでチリッチと世界11位のダビド・ゴフィン(ベルギー)の準決勝を視察。チリッチが5-7、4-6のストレート負けを喫した試合で気付いたことがあったという。
「チリッチ選手は比較的、コート中盤のボールの処理を苦手としています。ベースライン付近から強く打つのはうまい。でも、身長が高すぎるからでしょうか、低いボールでコートの中央くらいからネットプレーにつなげるボールの処理に苦しんでいました。
楽天オープンの時はコート中央のミスが多かった。この処理をきっかけにゴフィン戦で崩れていました。錦織さんのリターンが低いところに集まれば、チリッチ選手が崩れる機会が増えてくるかもしれません。この部分で相手が崩れる可能性はありそうです」
ネットプレーに出るか、出ないかというコート中盤のボールがポイントとなると語る綿貫は「今回のサーフェスがインドアハード。全米オープンのハードコートほど打球は高くバウンドしません。打球は低く弾むので、チリッチ選手の好む打点でラリーを展開させないことも可能になるかもしれません。そこは錦織さんにとって有利に運ぶかもしれません」とも分析する。
果たして軍配はどちらに上がるのか。錦織の2年ぶりとなる4強進出に期待したい。
◆綿貫敬介(わたぬき・けいすけ) 明治安田生命所属 世界ATPランキング1135位、ダブルス1024位(2016年6月時点)。埼玉県春日部市のグローバル・プロ・テニス・アカデミーの常任コーチを務めながら、世界ジュニアランキング2位の弟・陽介のツアーコーチも兼務。ジュニア時代には世界ランク5位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)ら実力者と対戦した経歴を持つ。
◆グローバル・プロ・テニスアカデミー 綿貫3兄弟を育て上げた父・弘次氏が校長を務める、世界を目指すタレントを育成するジュニア育成のアカデミーと一般のスクールを併設。レッスンは午前9時から午後9時まで。住所・埼玉県春日部市下蛭田2-1。電話番号048-755-5370。公式サイトは、http://www.global-sports-planning.com/
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer