錦織、マレーとの死闘に惜敗 勝利した全米オープンと「1メートル」の違い
世界ランキング5位の錦織圭(日清食品)は16日のATPワールドツアー・ファイナル1次リーグA組第2戦で同1位のアンディ・マレー(英国)に7-6、4-6、4-6で逆転負け。9月の全米オープン準々決勝でフルセットの死闘の末にマレーに勝っていた錦織は2連勝とならなかった。前回対戦との「1メートル」の違いがポイントになったという。
死闘で「仕掛けた」錦織、「丁寧で慎重なテニス」だったマレー
世界ランキング5位の錦織圭(日清食品)は16日のATPワールドツアー・ファイナル1次リーグA組第2戦で同1位のアンディ・マレー(英国)に7-6、4-6、4-6で逆転負け。9月の全米オープン準々決勝でフルセットの死闘の末にマレーに勝っていた錦織は2連勝とならなかった。前回対戦との「1メートル」の違いがポイントになったという。
「マレー選手には錦織さんに対して肌で感じる苦手意識のようなものがあったのでしょうか。前回のUSオープンで負けたイメージもあったでしょうし、デビスカップでもフルセットまで行っていました(デビスカップはマレーが勝利)。そんなに簡単にいかない。いつも長い試合になるということを覚悟した試合の入り方だったと思います。
序盤の錦織さんのリターンの駆け引きは巧妙でした。セカンドサーブでも後ろに下がって回り込んだり、高い軌道でボールを送り込んだと思えば、ポジションを上げて早いタイミングで捉えて相手に時間を与えない場面もあった。一方、マレー選手のリターンはハイレベルですが、駆け引きがない。そのボールの威力が強くて、タイミングが速いので、相手は対応に遅れますが、ワンテンポと言えます。錦織さんは駆け引きでサーブにプレッシャーをかけていた。一方、マレー選手はとにかく慎重でした。流れが来たなと感じるような局面でもラッシュをかけず、仕掛けもせず、丁寧で慎重なテニスだったという印象です」
プロテニスプレイヤーの綿貫敬介(明治安田生命)は、序盤の攻防についてこう分析した。85分間という死闘になった第1セットでは、錦織がタイブレークを制した。だが、そこから挽回したマレーが大会史上最長となった決戦で逆転勝利を飾った。2か月前に全米オープンで錦織が勝利した前回対戦との違いを綿貫は見て取っていた。
「全米オープンとはマレー選手の立ち位置に大きな違いがあります。全米オープンでは(この試合より)大股一歩分、ラリーで後ろに下がっていました。1メートルぐらいでしょうか。(錦織が)そこを下げられるか、下げられないかが、マレー戦のポイントではないかなと思いました」