箱根駅伝、勝負を分ける6人の「補欠」 高まる戦略性、例年以上に豪華な理由とは
上位校ほど主力を補欠登録、他校の出方を探っているか
東京オリンピック(五輪)3000m障害7位入賞の三浦龍司(順天堂大2年)、全日本大学駅伝で優勝の立役者となった花尾恭輔(駒澤大2年)、早稲田大自慢の10000m27分台トリオの中谷雄飛(4年)、井川龍人(3年)といった今大会の注目選手の名前も補欠にある。
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エース区間の2区や、特殊区間(山上り)の5区は、例年であれば当日変更は少ないのだが、早稲田大や順天堂大、明治大、初出場の駿河台大などは今回2区に当日変更がありそうだ。
駿河台大は、留学生のジェームズ・ブヌカ(4年)を補欠登録したが、仮に1区起用となれば、序盤からレースをかき回す存在になるかもしれない。
もちろん、すでに2区などに登録しているエースに何かアクシデントがあった場合のバックアップとして補欠に主力を置いているケースもあるし、万全な状態で本番を迎えられないため、補欠に回った主力もいるだろう。だが、上位校ほど主力を補欠登録し他校の出方を探っているようにも思える。勝負どころになると踏んだ区間に、おそらくは当日変更で主力を起用するチームは多いのではないだろうか。また、往路の結果次第で復路の戦略が変わってくるケースもあるだろう。
現在補欠登録されている選手から、優勝争いやシード権争いのキーマンとなる選手が出てきそうだ。1月2日の号砲の前から、戦いは始まっている。駅伝ファンにとっても、12月29日から1月2日、3日までの間、あれやこれやと想像を巡らすことも、箱根駅伝の楽しみ方と言える。
(和田 悟志 / Satoshi Wada)