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サッカーと“性格別”の適性ポジション C.ロナウドの恩師に見る指導者の必須能力

日本人ストライカーの主流は今も高校サッカー出身者

 GKと背中合わせのようなストライカーたちは、このような行動をしない。彼らは自分たちが世界の中心の性格で、「結果を出すことで生き残っている」という腹のくくり方がある。逆に言えば、他のことをしても補えない人生観というのか。利己的とも言えるが、感謝の術が異なる、もっと言えば「思考回路」の違いだ。

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 昨今、育成はクラブユースが圧倒的に中心になりつつある。東京五輪代表を見ても、それは明瞭になってきた。隆盛を誇った高校サッカーは、分が悪くなりつつある。

 しかし、ストライカーだけは高校サッカーを経た選手が今も主流である。東京五輪代表では、上田綺世、前田大然、林大地、あるいは旗手怜央。代表チームでも大迫勇也、古橋亨梧、オナイウ阿道など、高校サッカーで活躍した選手ばかりだ。

 高校では、彼らは少なからず“お山の大将”として生きていた。チームメイトにゴールを託される。その期待を背負い、ゴールを撃ち抜けるか。その一か八かを達成し、満たされる「思考回路」で、彼らはストライカーとして成熟するのかもしれない。

 育成の一歩目は、選手自身が自分の性格と向き合うことにある。

(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)

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小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

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