GKに必要な素養は「多少のクレイジーさ」 楢﨑正剛とランゲラックが語る“守護神論”
スポーツチャンネル「DAZN」とパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」との連動企画で、元日本代表GKとして活躍した楢﨑正剛氏は10月の「月間ベストセーブ」に名古屋グランパスのランゲラックのプレーを選出。ランゲラックのプレーがチームにもたらした結果とは何だったのだろうか。(取材・構成=藤井雅彦)
【DAZN月間表彰】10月のベストセーブは嫌な流れを断ち切ったランゲラックのプレー
スポーツチャンネル「DAZN」とパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」との連動企画で、元日本代表GKとして活躍した楢﨑正剛氏は10月の「月間ベストセーブ」に名古屋グランパスのランゲラックのプレーを選出。ランゲラックのプレーがチームにもたらした結果とは何だったのだろうか。(取材・構成=藤井雅彦)
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楢﨑「ミッチ、こんにちは。忙しいところ、今日はありがとう。よろしくお願いします」
ランゲラック「ナラさん、こんにちは。こちらこそよろしくお願いします」
楢﨑「10月の月間ベストセーブとして、ミッチのシュートストップを選ばせてもらいました」
ランゲラック「僕のプレーを見てくれていることがうれしいです。ありがとうございます」
楢﨑「この企画で毎月ベストセーブを選ばせてもらっているんだけど、ミッチのことはシーズン当初に選ばせてもらっていたし、年間を通して素晴らしいパフォーマンスを見せていることに誰も異論はないと思うよ!」
ランゲラック「偉大なGKとして活躍されていたナラさんに自分のプレーを選んでもらえて、とても光栄です」
――楢﨑さんが選定したのは第33節名古屋グランパス対ヴィッセル神戸の64分のシーンです。イニエスタ選手のクロスを武藤嘉紀選手がヘディングで合わせましたが、ダイビングしたランゲラック選手が左手で触れてバーに弾かれました。
楢﨑「まず選出理由ですが、僕はいつも『このプレーがどのような結果をもたらしたのか』を重視してベストセーブを選んでいます。2-0から2-1にされていた展開で再び危ない場面を迎えたわけだけど、ここで失点していたら逆転を許しかねない流れになっていたと思う。嫌な流れを断ち切るという意味で大きなプレーでした」
ランゲラック「流れもプレーもとても難しいシーンでした。最初、神戸の右サイドからクロスが入ってくる瞬間はクロスへのチャレンジを試みることも考えていました。ですが、クロスを上げる選手がイニエスタ選手だったので、精度の高いボールがゴール前に来ることを予測して判断を切り替えました。ボールがゴール前に上がってきた時は、武藤選手にフリーでシュートを打たれるという覚悟ができていて、その準備をした結果のセーブでした」
楢﨑「ゴール前で相手選手がフリーになっているのは見えている場合もあるけど、試合を重ねてきた経験から感じる場合もあるよね。それらを踏まえてミッチはシュートが飛んでくることに備えたアクションを選択した、と。日本人選手だと難しい高さのシュートだったけど、あの高さにもしっかりと対応できるミッチの良さが発揮されていたと思います」