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Jリーグには「スターが必要」 プロ24年目、遠藤保仁が提言「年俸で夢を持てないと」

オンラインでの取材に応じたジュビロ磐田の遠藤保仁(写真はスクリーンショットより)
オンラインでの取材に応じたジュビロ磐田の遠藤保仁(写真はスクリーンショットより)

インパクトのあるスター選手を「あえて作っていく必要がある」

 そうした影響もあるのか、近年のJリーグはかつてのように個性的で面白い選手が少なくなり、日本代表もスター性のある選手が少なくなっている感がある。

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「前はカズ(三浦知良)さんをはじめ、ヒデ(中田英寿)さん、(中村)俊輔、ちょっと前だと(本田)圭佑とか、名前が出ればパッと顔が浮かぶ選手が多かった。でも、今はどうだろう。スター選手というか、カズさんみたいなインパクトのある選手はいないと思う。そういうスター選手が必要だし、あえて作っていく必要があるんじゃないかなと思いますね」

 現在のサッカー界には野球界の大谷翔平(米大リーグ・エンゼルス)のように、世界トップレベルの選手も称賛するレベルのスターが見当たらない。上手い選手は多いが、海外ではレギュラーになれるかどうかのレベルだったり、もちろんビッグクラブで圧倒的な存在感を見せる選手もいない。

 夢を見られる存在がおらず、Jリーガーが稼げる金額も新人選手はB契約とC契約で年俸480万円以下、A契約は同700万円が上限になっている。プロ野球はドラフト1位にもなると契約金1億円、年俸1600万円をもらう選手も珍しくなく、サッカー選手とはかなり差がある。また、第一生命保険が今年3月にアンケートした小学生・男子のなりたい職業ランキングでは、サッカー選手は3位で、2位にYouTuber、1位は会社員だった。中学生・男子も1位が会社員、YouTuberは3位タイで、サッカー選手は7位タイとなった。

「今はネット社会で、小学生から携帯を持って動画を見ているから、YouTuberは身近だし、何億円も稼いでいるので、そこに夢を持つのは分かる。年俸で夢を持てないとなりたいとは思わないので、やっぱり野球みたいに年俸が高くなっていけば『サッカーって夢があるよな』ってなると思うんです」

 コロナ禍の影響で各クラブの収益は悪化し、緊縮経営が続くが、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタをはじめ次々とワールドクラスの選手を獲得しているヴィッセル神戸は、夢のあるチーム作りをしている。

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佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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