サッカーと貧困からの脱出 海外選手の“ハングリー精神”を生む「戻らない覚悟」
バルサ逸材の父もボートピープルの1人だった
モロッコからは密航が後を絶たない。モロッコ人だけではなく、アフリカ中の人々がモロッコに集まり、ヨーロッパを目指す。船が転覆し、死体となって流れ着くケースもしばしばだ。
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10代にしてバルサでデビューして話題になったモロッコ代表ムニル・エル・ハダディの父も漁船を使い、ボートピープルの1人としてスペインに辿り着いた。警察の目を盗んで北上し、道端でモノを売り、レストランの下働きの仕事を得て、料理人になった。そうした移民の子が、プロサッカー選手になる例は年々増えている。
<サッカーは暗い人生を一瞬にして明るくする>
そう信じてボールを蹴る子供たちがいる。
日本人は「世界」を口にするが、それは彼らを完膚なきまでに打ち負かすことなのである。
(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)