Jリーガー大津祐樹、中学時代にスクールで技術習得 本気の恩師と「対峙して学んだ」
ごまかすのが難しいフットサルで学んだのは“駆け引き”
大津がmalvaに通い始めたのは中学1年生だ。所属するジュニアユースの活動の合間を縫って、母親が運転する車で水戸市内にある練習場へ通った。
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「地元でサッカーをやっていてmalvaを知らない人はいませんでした。先輩や同級生でもmalvaで指導を受けるようになってから驚くほどレベルアップした例を目の当たりにしていましたし、クラブチームの指導者の間でもmalvaの存在は広く知られていました。僕も自分自身をレベルアップさせるために通っていたんです」
サッカーとフットサルは似て非なる競技だ。
最近ではサッカー元日本代表の松井大輔がフットサルに転身したことで話題になったが、同じボールを蹴る球技でもコートの広さからボールのサイズまで、多くの違いがある。
のちに日本を代表するアタッカーへと成長する大津は、スクールという環境で何を学んだのか。
「サッカーで使えるフットサルの技術を吸収したいと思っていました。クラブチームで学んでいるのは、もちろんサッカーの技術や戦術ですよね。malvaでは、より狭いコートで主に駆け引きの重要性や楽しさを学びました。それはサッカーに置き換えることもできて、狭いエリアでどれだけの精度やアイデアがあるかが大切という意識で当時からプレーしていました」
強く印象に残っているキーワードは“駆け引き”だ。
もっとも、駆け引きと一口に言っても内容はさまざま。ボールを持っている場面で対峙した相手との距離感や、パスを受ける際に相手が嫌がるポジショニング、あるいはドリブルを仕掛ける時のフェイントなど多岐にわたる。
そのすべてをサッカーよりも狭いコートで行うのだから、とにかく忙しい。
「大きいコートだとごまかせる部分があるけど、フットサルではごまかすのが難しい。だからこそmalvaで学んだ駆け引きが、より重要性を増します。少しでも精度が落ちるとすぐにプレッシャーを受けてしまって、それこそサッカーの2倍くらい人間が密集している感覚なんです。より早い判断と正確な技術、あとはアイデアやイマジネーションを求められます。その経験はサッカーのピッチでも生かされていると思いますし、子供の頃に習ったことは体が覚えているので絶対に忘れません」