元サッカー日本代表GKも協力 被災地の子供たちを支援する画期的取り組み
動画を通じて指導、「協力することの大切さも意識できる」
育成年代の指導経験も豊富な同氏は今年4月24日にいわき市で、未来の日本代表GKを目指す子供たちを約3時間、直接指導。そこで現地の小学校6年生の技術レベルを確認すると、その後は着実にスキルアップできるような練習メニューを考案し、スマートフォンを通じて動画で配信し続けてきた。
子供たちはその動画を参考にして練習に取り組み、自身のプレーや練習風景を動画で撮影。その様子を送り返すと、今度は土肥コーチがチェックし、動画に音声や文字を加えて修正ポイントを指示する仕組みとなっている。
生徒たちはプロの目による正しい指導を受けることで、プレーが矯正され、ミスが少なくなり、上達していく。この作業を繰り返し行うことで、着実にステップアップしていくという狙いがある。
「遠隔指導用の動画を撮って送るには、家族や友達など周囲の協力が必要です。ボールを投げてもらったり、動画撮影を頼んだり、家族や仲間に手伝ってもらわないといけない。この取り組みを通じて、一人で目標に取り組んでいるわけではない、周りの人に支えられているんだということを伝えたいと思っています。チームプレーのサッカーだけでなく、色々な場面において、協力することの大切さや、一人で生きているわけではないということを意識できる。今後どんどん成長していけるのかなと思います」
土肥氏はそう力を込める。
始まって約半年の間で子供たちの成長を実感している土肥コーチ。被災地とトッププロを繋ぐ最先端のトレーニングメソッドは今後どのような広がりを見せていくのだろうか。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer