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部活で始まるメンタルヘルスへの取り組み 「弱音を吐かない」美徳は米国でも変化

次男の高校運動部で健康調査書にメンタルヘルスと関連する項目

 私の次男は公立高校の運動部に在籍している。運動部に参加するにあたって、毎年、保護者として健康調査や活動時の危険の引受の同意など、数多くの書類を提出してきた。今年の健康調査書には、メンタルヘルスと関連する項目があった。保護者としてこの種の健康調査書類に記入するのは7回目だが、こういった項目に回答するのは初めてだった。私のすぐ身近でもメンタルヘルスへの取り組みが始まったということだろう。

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 過去2週間で次のような状態がどのくらいの頻度で起こったかを答えるようになっていた。

・緊張したり、不安になったり、イライラしたりする。
・心配することを止めることも、コントロールすることもできない。
・何かをすることに興味や喜びを感じられない。
・落ち込んだり、憂鬱になったり、絶望的な気分になる。

 他の学校や地域でも、このような質問を健康調査に盛り込むことも増えているようだ。

 2017年暮れに、オレゴン州の高校で、サッカー部、ゴルフ部で活躍していた生徒が自殺した。亡くなる50日ほど前にサッカーで脳震盪を起こしたあと、うつ状態にあったという。この生徒の学校のアスレチックトレーナーは、限られたスタッフでも、ひとりひとりの生徒の抱える問題をキャッチし、必要なサポートに結び付けられるようにと、アンケートを作り、定期的に運動部の生徒に回答してもらうようになった。

 まず、年度はじめに運動部の生徒たちを集め、栄養、水分補給、睡眠とパフォーマンスの関係を教えている。そこで、メンタルヘルスについても取り上げ、アンケート調査の活用についても説明。実際には、アプリを利用してやりとりをし、目を向けるべき子どもの回答には赤字で表示されるように設定するなどの工夫がなされているそうだ。

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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