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ラグビー界の“鉄人”大野均が繋ぐ「スポーツと福島」 震災から10年の今できること

アスリートとして身につけた素晴らしい資質を、社会に還元する方法を探し、実践のアシストをする一般社団法人「APOLLO PROJECT」。元Jリーガーで引退後はビジネスパーソンとして経験を積んだ山内貴雄さんが代表理事、元ラグビー日本代表主将で現在はリーダー育成や新規事業開発などに力を注ぐ廣瀬俊朗さんを専務理事とし、アスリートたちが自分の価値を再確認し、高める機会を提供している。

元ラグビー日本代表の大野均さん【写真:本人提供】
元ラグビー日本代表の大野均さん【写真:本人提供】

APOLLO PROJECTによる「A-MAP」プレゼン大会でMVPを獲得

 アスリートとして身につけた素晴らしい資質を、社会に還元する方法を探し、実践のアシストをする一般社団法人「APOLLO PROJECT」。元Jリーガーで引退後はビジネスパーソンとして経験を積んだ山内貴雄さんが代表理事、元ラグビー日本代表主将で現在はリーダー育成や新規事業開発などに力を注ぐ廣瀬俊朗さんを専務理事とし、アスリートたちが自分の価値を再確認し、高める機会を提供している。

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 競技生活に没頭するあまり、一般社会との繋がりを感じられず、引退後のキャリアに不安を抱く現役・引退アスリートたちは多い。現役時代に身につけた判断力、チャレンジ精神、チームワークなどをビジネスシーンで生かす方法を学びながら、アスリートの価値を通して社会の課題解決策を探る場として、今年1月に「A-MAP(Athlete Mindset Apollo Program)」を開講。1期生となった11人(現役5人、引退6人)の受講生は「学びと実践」をキーワードに、多岐にわたる課題に取り組む日々を過ごしている。
 
 課題図書を輪読したり、ビジネス界はもちろん各界で活躍する人々の講義を受けたり、毎週月曜日に全員参加のZoomミーティングを開催したり。自分の価値を知り、何を軸として生きていくのか探る「マインドセット」、課題に沿った企画立案をし、実践・リフレクションまでを経験する「ビジネス実践」、提携するビジネス・ブレークスルー(BBT)大学のクラスを受講し、一般学生と共に学ぶ「他流試合」という3つの目的に沿う形で、1年間のプログラムが設計されている。

 数ある課題の中でも「学び」と「実践」を紐付けたのが、「あなたの競技の5年後に向けたグランドデザイン(戦略)を考えてください」というテーマで実施されたプレゼン大会だ。まずは7月19日にオンライン上で予選ピッチを開催。1人あたり10分という制限時間でプレゼンを行い、審査員を務めた荒木重雄さん(スポーツマーケティングラボラトリー代表)、宇田左近さん(BBT大学副学長)が採点した。評価基準は、課題特定度、実現性、独創性、社会的意義、収益性、プレゼン力の6項目。受講者の発表内容は予想以上にレベルが高く、本戦ピッチへの出場者を当初の3人から5人に増やしたほどだった。

 8月23日に開催された本戦ピッチに参加したのは、元バスケ日本代表の竹田謙さん、元ラグビー日本代表の大野均さん、元ラグビー選手の菅藤心さん、現役ラグビー選手でサントリー所属の木村貴大選手、同じく現役ラグビー選手で日野所属の木村勇大選手の5人。予選ピッチから約5週間で企画をブラッシュアップし、今回は1人あたり25分のプレゼン時間でより具体化した戦略を発表した。

 審査委員長を務めた荒木さんに加え、本戦では田口一成さん(ボーダレスジャパン代表)と廣瀬さんが審査員として参加。その競技を知るアスリートならではの着眼点を称える一方、実際のビジネスプランとして足りない部分を指摘するなど本音をフィードバックする審査員たちだったが、3人がMVPに選んだのが大野さんが発表した「スポーツの力を福島の元気に」だった。

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