益田直也、失意の福岡空港から始まった快進撃 ロッテの鉄腕守護神を救った同僚との絆
現役2位の582試合登板「やりがいもあるけれど、大変」
プロ10年間で、年間50登板以上を9度記録している鉄腕。登板は全てリリーフで、通算582試合は宮西尚生(日本ハム:771試合)に次ぐ現役2位の数字だ。NPB屈指の守護神に成長した31歳に、長きにわたる活躍をもたらしたメンタリティについて聞いてみた。
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この世に100%抑えられる投手はいない。マウンドに立った数が多い分、益田も痛い目を見てきた。失敗した時、自分の気持ちをどうコントロールしているのだろうか。
「僕は失敗した時、どうして失敗したかをまず見ます。ここに投げて打たれたらしょうがない、後悔ないという時はありますし、そういう時はあまり落ち込まないです。でも、投げミスとかでやられたときは、やっぱり『ダメだな』って思います。精神的に、何かをして切り替えるというのは正直ないですね。次の試合で抑えないと残像も残りますし、消えないです」
自分の立場を「10回投げて、1回失敗しても許されるような所ではない」と表現する。最終回のマウンドに背番号52が立てば、それはロッテが勝利目前のシチュエーションであることが多い。周囲もどこか「抑えて当然」に近い見方をしてしまいがちだ。
「試合の流れ、みんなの頑張りを1回で無くしてしまう可能性がある。そこにやりがいはもちろんあるけれど、中継ぎは抑えて当たり前という見方もあるので、そこは大変かなと思います」
どんなに場数を踏んだとしても、凹む時は凹むし、次の登板で悪いイメージを払しょくするしかない。任された投手にしか分からない重圧とも戦いながら、心がけていることが1つある。
「やられたから、ちょっと失敗したからと言って、やっていることを変えないこと。失敗しちゃうと自分がやっていることが間違っているように感じてしまうけれど、ブレずに143試合やることが大事ですね」