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楢﨑正剛と横浜FCドイツ人GKが対談 加入2か月、日本語習得も目覚ましい24歳の素顔

ドイツ人GKが見た現役時代の楢﨑氏はオリバー・カーンに似てる?

――ブローダーセン選手は今夏、横浜FCに加入しました。ドイツと日本で練習環境に違いはありますか?

ブローダーセン「横浜FCでは夏の暑さを避けるために、午前中の早い時間のトレーニングを行っていました。ドイツでは遅い時間のトレーニングが多かったので、早起きに慣れていなくてちょっぴり眠かったです(苦笑)。スタッフの数はドイツのクラブよりも多くて、練習で使う用具や環境を整える点についてはプロフェショナルだなと感じています」

楢﨑「今、僕は指導者という立場なのですが、トレーニング内容について何か感じることや違いはありますか?」

ブローダーセン「ドイツと日本では異なる内容ももちろんありますが、新たな技術を吸収できるチャンスだと思っています。サッカーの質としては、僕がプレーしていたドイツ2部はフィジカルコンタクトが激しくて、パスをつないで崩すというよりもフィジカルが重要視されていました」

楢﨑「ブロ選手はまだ24歳と若いので、チームメイトの日本人GKたちから吸収することも多いのでは?」

ブローダーセン「チームメイトのGKはみんな基礎技術が高く、柔軟性や俊敏性といった部分で自分にないものを持っています。僕は体が硬いので、次の動作に移る際の足の運び方などはもっと学びたいと思います。反対に、彼らも自分から学ぶことがあると思いますし、お互いに切磋琢磨することで成長していきたいです」

――では最後に、この企画恒例の質問で締めさせていただきましょう。

楢﨑「日本では少し変わっている人間がGKを務めることが多いのですが、ドイツではいかがですか?」

ブローダーセン「ドイツでGKには『シュレッダー』というあだ名がついています。『相手を壊す』という意味で使われていて、少しだけクレイジーにならないと相手に向かって行ったり、ボールに突っ込んで行ったりすることはできませんよね(苦笑)」

楢﨑「それを聞いて安心しました。もはや世界共通なのかもしれません(笑)」

ブローダーセン「僕からも楢﨑さんに伝えたいことがあります。来日前から楢﨑さんのプレーをYouTubeで視聴していて、試合中に激しく叫んでいるシーンがありました。それがまるでオリバー・カーン選手にそっくりで。カーン選手は僕が一番尊敬しているプレーヤーなので、楢﨑さんのこともとても尊敬しています!」

楢﨑「カーン選手ほど叫んでいなかったと思うんだけどなぁ(苦笑)。そういえばカーン選手のいるドイツ代表と試合をしたことがあって、たしか0-3で負けた記憶があります。当時から日本とドイツの差が少しでも縮んでいればいいけど、まだまだ難しいと感じる部分も多いですよ」

ブローダーセン「でも日本でプレーしていて全体的なレベルの高さを感じていますし、僕自身も成長できている実感があります。満足したら成長が止まってしまうので、もっともっと成長していきたいです」

楢﨑「ブロ選手の向上心や野心は素晴らしいと感じました。今日は貴重な時間をありがとうございます。僕は引退してしまったのでピッチ上では会えないけれど、どこかで会って話せるのを楽しみにしています」

ブローダーセン 「こちらこそありがとうございました。もっと日本語を上達させて、楢﨑さんとコミュニケーションを取れるようにしておきます。これからも頑張ります!」

■楢﨑正剛

1976年4月15日生まれ、奈良県出身。1995年に奈良育英高から横浜フリューゲルスに加入。ルーキーながら正GKの座を射止めると、翌年にJリーグベストイレブンに初選出された。98年シーズン限りでの横浜フリューゲルス消滅が決まった後、99年に名古屋グランパスエイトへ移籍。2010年には、初のJ1リーグ優勝を経験し、GK初のMVPに輝いた。日本代表としても活躍し、国際大会では2000年のシドニー五輪(OA枠)、02年日韓W杯などに出場。19年1月に現役引退を発表し、現在は名古屋の「クラブスペシャルフェロー」に加え、「アカデミーダイレクター補佐」および「アカデミーGKコーチ」を兼任。21年からはJFAコーチとしても活躍している。

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