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日本の高校野球と通じるリトルリーグの人気 総額66億円の放映権料は何に使われるのか

放映権料から得た収入はどのように使われている?

 では、リトルリーグワールドシリーズが放送権料から得た収入はどのように使われているのだろうか。

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 リトルリーグ機構が放送権料をどのように使っているかを発表している。

 ひとつは、コミュニティプログラムの加盟料を18ドルから10ドルに引き下げた。ふたつめは、コーチの経歴・犯罪歴チェックを無料で行うために使われている。ただし、これには人数制限があり、ローカルリーグ、地域あたり125人分までとされている。子どもたちを指導するにふさわしい人物か、過去に犯罪、性的虐待などを犯していないかなどを確認するものだ。

 三つ目は「グロウ・ザ・ゲーム」というプログラムで特に経済的支援を必要としているローカルのリーグに助成金を与えるというものだ。2015年から2019年8月時点までの4年あまりで、237のリーグやチームを助成し、その合計はおよそ400万ドル(約4億4000万円)だという。

 しかし、リトルリーグ機構の最も大きな支出は、ローカルリーグへの補助金ではない。

 ペンシルバニア州のメディア「ペンライブ」が非営利団体であるリトルリーグ機構の年次報告書についてレポートしている。2017年度の年次報告書によると、支出の上位3項目は、機構で働く人の給与と福利で約10億2000万円、事務所の関連費用に約8億2000万円、旅費が約4億4000万円だった。

 リトルリーグ機構のような大きな組織を管理運営するには専業の職員が必要になり、役員や職員に理にかなった金額の給与の支払いがなされるべきだと筆者は思う。

 しかし、子どもたちはその試合が全米中継されても、プロ選手ではないから、お金をもらうわけではない。放送権料を得るのはリトルリーグ機構である。だからこそ、広く子どもたちが恩恵を受けられるように分配の方法は、常にモニターされる必要があるだろう。

 また、リトルリーグの各チームやローカルのリーグがスポンサーをつけて財政支援をしてもらうことが認められている。補助金を申請するだけでなく、自らスポンサーを探すのだ。

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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