なぜ“手負いの獅子”羽生結弦は勝てたのか 「僕は五輪、知っていますし」の意味
羽生を救った完成度「スケートに自信が持てたし、いい決断だった」
羽生はフリー後の囲み取材で演技の完成度に救われたことを振り返った。
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「サルコーもトーループもアクセルもトリプルジャンプすべて、何年間もやってきているので、やっぱり覚えていてくれました。ソチ五輪のときは勝てるかなと不安でしかなかったが、今回は何よりも自分に勝てたと思います。4回転ループを跳びたい跳びたくないというよりも前に、何よりも勝ちたかった。勝たないと意味がないと特にこの試合は思っていました。何よりもこれからの人生でずっとつきまとう結果なので、本当に大事に大事に結果を取りにいきました。
本当にSPも良かったですし、何よりもサルコーとトーループに(絞って)跳んで、こうやって評価していただけることは、自分のスケートに自信が持てたし、いい決断だったかなと思います」
右足首の怪我から2カ月も氷に立つことができない最悪の状況からの復帰戦となった五輪で羽生が勝てた最大の要因は、GOE加点が3点満点ついた武器のジャンプであるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)とサルコーとトーループの4回転に絞ったジャンプ構成にしたこと、滑り込んできた高い評価を得ていたプログラムを使用したこと、SPで高得点を取って逃げ切ることができたこと、これら様々な戦略と作戦が奏功したことが羽生の思い描いた通りの結果に導いたと言えるだろう。
(辛 仁夏 / Synn Yinha)