なぜ“手負いの獅子”羽生結弦は勝てたのか 「僕は五輪、知っていますし」の意味
日本のエースでソチ五輪王者の羽生結弦が、とうとう66年ぶりの五輪連覇の偉業を成し遂げ、平昌五輪フィギュアスケート男子シングルで金メダルを獲得した。11月9日に右足首を負傷してから約3か月ぶりの復帰戦であり、10月のグランプリ(GP)シリーズ・ロシア杯以来の実戦だったが、怪我の影響をほとんど感じさせない演技を見せて勝った。
右足首故障から連覇、4年前を知る“元”王者が「良い決断だった」と語った“戦略”
日本のエースでソチ五輪王者の羽生結弦が、とうとう66年ぶりの五輪連覇の偉業を成し遂げ、平昌五輪フィギュアスケート男子シングルで金メダルを獲得した。11月9日に右足首を負傷してから約3か月ぶりの復帰戦であり、10月のグランプリ(GP)シリーズ・ロシア杯以来の実戦だったが、怪我の影響をほとんど感じさせない演技を見せて勝った。
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なぜ、深手を負った獅子の羽生が、今回の五輪で勝てたのか。そこには、羽生自身がこれまでに培った病や怪我からの復活のノウハウと、現行のルール下で自分の演技を最大限にアピールして得点を引き出す綿密な作戦が功を奏したのは間違いない。それに加え、不幸中の幸いにも、今季は3シーズン使うことにしたショートプログラム(SP)「バラード第1番」と2シーズン使うことになったフリー「SEIMEI」という絶対的プログラムを使用することにしたことは、かなりのアドバンテージになったことは確かだろう。
この2つのプログラムでは、いずれも歴代世界最高得点をたたき出しており、また、どんな状況下でも演技ができるほど体に染みこんでいる演技構成となっているため、今季ここまでの3か月間で滑り込みをしていなくても、すでに高い完成度のあるプログラムだけに、あえて高める必要性もなく、円熟味を増した演技ができた。
SP後の囲み取材で、圧倒的な演技を披露したことを聞かれた羽生は、こんなことを口にした。
「まぁ、僕はオリンピック、知っていますし。おっきいことを言うなって言われるかも知れないですけど、僕は“元”と言えばいいのかな。オリンピックチャンピオンなんで。自分にとっては(ソチ五輪の)フリーのミスがここまでの4年間、頑張って強くなった一つの原因と思っているので、今回の五輪ではリベンジしたいなぁという気持ちがとにかく強いです」