パリ五輪は実施されない空手の再出発 課題は五輪効果の継続「またゼロからやり直す」
追い風は競技人口の増加「新しい光が出てくるでしょう」
日本においては「柔道、剣道がかなり人数を落とす中、増えている」と同じ武道の中でも気を吐いている。空手を取材するメディアは五輪決定後、40~50媒体までに急増した。専門誌を除くと、「10年前はほとんど相手にしてもらえなかった」状況は、一変した。
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「継続」という意味では、五輪除外の影響がどこまで表れるのか、先行きは見通せない。スポンサー離れが起きれば、また一時代前に逆戻りする可能性もある。愛好者が増える一方で、コアなファンを満たす専門誌の数は減少したまま。「今残っているのは『JKFan』ぐらい。雑誌自体が成り立たなくなっている」。質の高い情報を提供する媒体の存在は人気競技のバロメーターで、課題の1つとなっている。
空手はロンドン五輪、リオデジャネイロ五輪でも落選した。そのとき、一時は競技生活を諦めかけた選手たちが、希望のバトンをつないだ先に東京五輪の追加種目入りがあった。
開催都市の種目提案権が創設され、実施競技は見直される傾向にある。逆風を跳ね返し、ロビー活動を含めて再挑戦していくしかない。前出の全空連関係者は「一つ一つ重ねていけば、新しい光が出てくるでしょう」と前を向いた。
(THE ANSWER編集部)