松田直樹さん急逝から10年 横浜FMが未来につなぐ使命「この街で語り継がれるために」

背番号3のユニフォームとTシャツの売上は「命をつなぐアクション」へ
この10年、命日の8月4日に近いホームゲーム開催時には記帳台を設け、ファン・サポーターたちが松田さんへの想いを記帳台に記していた。しかし、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、当該試合が観客上限5000人の対象試合となっていることから、記帳台をオンラインに変更。日付が変わる8月4日の0時~23時59分まで、ハッシュタグ「#FOREVER3」をつけてツイッターで松田さんへの想いをツイートするという。
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また、この10年で初めて解禁されるのが、背番号3の1stユニフォームとプレーヤーズTシャツの販売だ。
クラブはこれまで、背番号3のユニフォームは特別な存在であること、松田さんの名前で利益につながるようなことはしないことから、背番号3のユニフォーム販売は行ってこなかった。しかし、10年目となる今年、販売が発表された。その理由について黒澤社長は「松田直樹さんという、偉大なサッカー選手がいたことをクラブが続く限り伝えていくという使命に、クラブとして全力に取り組んでいくことの決意の表れ」であると説明した。
売上については、利益の全額が、クラブが実施する「命をつなぐアクション」、ホームタウンにおけるCPR(心肺蘇生法)とAEDの普及啓発事業、そしてホームタウンの子どもたちへのサッカー普及活動費用に充てられるという。
松田さんが亡くなってから10年を迎える。黒澤社長は「決して何かの節目になるわけではなく、松田さんへの想いが変わることもありません」としながらも、「松田直樹さんと直接的な接点を持たない選手やスタッフ、彼のプレーを生で見たことがないファン・サポーターの方、2011年以降に生まれた彼の存在を知らない子どもたちがこの10年の間に増えていることも事実」と語る。
松田さんとは同い年で日本代表でもプレーした波戸康広アンバサダーは「マリノスに復帰してからはキャンプで同部屋になり、気づけば明け方までプライベートやサッカーの話を語り合った」と明かした。「今、彼と会って何を話すか考えると、やっぱりサッカーのことかな。これからも彼が大好きだったサッカーを伝えていきたいし、万が一に備えて命を守るAEDの普及啓発活動をアンバサダーとしても伝えていきたい」と決意を新たにした。
横浜F・マリノスの育成組織で育ち、2002年のトップ昇格から2019年の現役引退までクラブ一筋でプレーした栗原勇蔵クラブシップ・キャプテンは、松田さんのについて「プレーはもちろん、存在感が凄かった」と明かした。
「今でも、彼を超える存在はいないと思っている。生前もいろんなエピソードがありますが、亡くなってから(彼の存在で)AEDが普及されたのも間違いない。それによって助かった人も多いと思う。亡くなってからも存在感のあるマツさんは本当に凄いし、いつまででも憧れられる存在です。
たまにマツさんが生きていたら何をやっているかと考えるんです。マリノスにいたら何をやっているかなと。だから、マツさんが生きていたらやってくれていたことを、自分が少しでもできるように今後もやっていきたい。皆さん、そういうことがあった時に協力していただきたいです」
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