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【月間表彰】大久保嘉人の“20mミドル弾”は「すごく難しい」 闘莉王が感じた“38歳の復活劇”

クルピ監督の手腕とC大阪の雰囲気の良さ「引き出せる方法をよく知っている」

 今季からC大阪を率いるのはクラブで異例の4度目指揮となるブラジル出身のレヴィー・クルピ監督。かつて、香川真司(PAOK)やMF乾貴士(エイバル)、MF清武弘嗣、MF南野拓実(サウサンプトン)らを育て上げた名伯楽だ。13年以来、8年ぶりの復帰となった。闘将は大久保が開幕から好プレーを維持している要因の1つにクルピ監督の手腕を挙げた。

「クルピ監督は選手のもともと内にある力を外に引き出せる監督だと思う。クルピ監督の下から外国で活躍するいろんな日本人選手が出てきた。香川も、清武も。クルピ監督はどこかに隠れている才能を発揮させる、引き出せる方法をよく知っている。だからこそ、嘉人があれだけの活躍ができる。サッカーを違う角度から見られる人だし、クルピさんも(オズワルド・)オリヴェイラさんもネルシーニョさんも日本を愛している。日本の文化を大切に思っているからこそ日本人選手の良さを引き出せる技を身につけているんじゃないかなと思う」

 大久保は18年途中から移籍したジュビロ磐田では在籍1年半で計4得点。昨季の東京ヴェルディでは無得点に終わった。それでも、今季はかつて得点王に輝いたような姿を見せている。かつて日本代表やアテネ五輪でチームメートだった闘莉王はもう一つ、復活の要因に周囲との関係の良さを強調した。

「僕はずっと言っているけど、周りが大事だと思う。嘉人は周りの雰囲気を大事にする選手で、雰囲気さえ良ければ必ず活躍する。何かモヤモヤがあったり、ここで成功させないといけないという気持ちが強すぎたりしたら空回りすることが多い。そういうときにどうすればいいか。今のセレッソにはそういう雰囲気、生き生きとしている選手たちが周りにいれば自分も生き生きしている時の活躍を思い出させるんじゃないかな。嘉人はちょっと寂しがりやだと思う(笑)。だからこそ若手と混じって生き生きするような練習のなかで、クルピさんの厳しさがあることで再爆発できていると思う」

 今季15得点すると、史上初のJ1通算200ゴールに到達する。「壁にぶつかったときは嘉人らしくやってくれれば、また活躍できる」と太鼓判を押す闘将は「250ゴールぐらいいって欲しい」とエールを送った。ベテランの星はまだまだゴールを量産してくれそうだ。

■田中マルクス闘莉王

 1981年4月24日生まれ、ブラジル出身。渋谷教育学園幕張高を卒業後、2001年にJ1広島でプロデビュー。06年に浦和のリーグ初優勝に貢献し、同年のJリーグMVPに輝く。07年にACL優勝、名古屋移籍後の10年に自身2度目のJ1制覇。03年の日本国籍取得後は日本代表としても活躍し、04年アテネ五輪、10年南アフリカW杯に出場。日本代表43試合8得点の成績を残した。19年12月にJ2京都で現役引退。現在はブラジルで実業家として活動する傍ら、公式YouTubeチャンネル「闘莉王TV」も話題に。

(小杉 舞 / Mai Kosugi)

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