「行きたくないですよ」 高卒Jリーガーと卒業後の高校選抜、元日本代表FWの経験談
欧州遠征で7試合5ゴール、帰国後も好調をキープ
同じ18歳でも、高体連からプロに進んだ選手にとって、環境の落差は大きい。高校では最上級生でエースだったのに、格段にレベルの高い大人の世界に飛び込んでいく。城自身も「現実にプロの世界は、想像以上にレベルの違いがあって、ゴールは重ねていても通用しているという意識はありませんでした」と振り返っている。だからこそ気の置けない仲間とのトーナメント参加が、格好の気分転換になった。
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当時の市原は清雲栄純監督が指揮を執っており、「どんなレベルの大会なのか判らないので、そこが不安だった」と吐露しているが、高校選抜が出場する大会は、決して低レベルではない。欧州の強豪クラブが参加してくるので、近未来には大化けする素材も少なくない。とりわけ海外遠征の機会が限られる高体連出身の選手なら、貴重な国際経験となる。
城は欧州でもマンチェスター・ユナイテッドなどから7試合で5ゴールを記録。帰国後も好調を維持した。もしあのまま休む間もなく、市原の試合に出場し続け、五輪、フル代表もかけ持っていたら、どこかで心身が悲鳴を上げていたのかもしれない。
(加部 究 / Kiwamu Kabe)