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「行きたくないですよ」 高卒Jリーガーと卒業後の高校選抜、元日本代表FWの経験談

欧州遠征で7試合5ゴール、帰国後も好調をキープ

 同じ18歳でも、高体連からプロに進んだ選手にとって、環境の落差は大きい。高校では最上級生でエースだったのに、格段にレベルの高い大人の世界に飛び込んでいく。城自身も「現実にプロの世界は、想像以上にレベルの違いがあって、ゴールは重ねていても通用しているという意識はありませんでした」と振り返っている。だからこそ気の置けない仲間とのトーナメント参加が、格好の気分転換になった。

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 当時の市原は清雲栄純監督が指揮を執っており、「どんなレベルの大会なのか判らないので、そこが不安だった」と吐露しているが、高校選抜が出場する大会は、決して低レベルではない。欧州の強豪クラブが参加してくるので、近未来には大化けする素材も少なくない。とりわけ海外遠征の機会が限られる高体連出身の選手なら、貴重な国際経験となる。

 城は欧州でもマンチェスター・ユナイテッドなどから7試合で5ゴールを記録。帰国後も好調を維持した。もしあのまま休む間もなく、市原の試合に出場し続け、五輪、フル代表もかけ持っていたら、どこかで心身が悲鳴を上げていたのかもしれない。

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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