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ラグビーと野球では子どもが真逆に育つ? 元プロ野球選手が驚いた「BUAS」の成果とは

スポーツを通じた人間形成を目指す「ブリングアップ・アスレティック・ソサエティ(BUAS)」が5月、新たな一歩を踏み出す。2018年にラグビーとアイスホッケーの各アカデミーから始まったBUASは、20年にランニングパフォーマンス(陸上)とベースボール(野球)が加入。そして5月10日からベースボールアカデミーとしては2校目となる「BUベースボールアカデミー戸田校」が開校する。5日に行われた記者会見には、コーチに就任する元阪神・トヨタ自動車の的場寛一氏、元ロッテの内竜也氏が出席し、新たなチャレンジに向けて意気込んだ。

記者会見に集結した「BUAS」メンバー。左から鈴木貴人氏、内竜也氏、豊田浩之氏、的場寛一氏、菊谷崇氏【写真:荒川祐史】
記者会見に集結した「BUAS」メンバー。左から鈴木貴人氏、内竜也氏、豊田浩之氏、的場寛一氏、菊谷崇氏【写真:荒川祐史】

5月開校「BUベースボールアカデミー戸田校」 コーチには的場氏、内氏が就任

 スポーツを通じた人間形成を目指す「ブリングアップ・アスレティック・ソサエティ(BUAS)」が5月、新たな一歩を踏み出す。2018年にラグビーとアイスホッケーの各アカデミーから始まったBUASは、20年にランニングパフォーマンス(陸上)とベースボール(野球)が加入。そして5月10日からベースボールアカデミーとしては2校目となる「BUベースボールアカデミー戸田校」が開校する。5日に行われた記者会見には、コーチに就任する元阪神・トヨタ自動車の的場寛一氏、元ロッテの内竜也氏が出席し、新たなチャレンジに向けて意気込んだ。

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 元ラグビー日本代表の箕内拓郎氏、小野澤宏時氏、菊谷崇氏、元アイスホッケー日本代表監督の鈴木貴人氏が主宰する「BUAS」はスポーツの枠を超えたマルチスポーツでの学びが特徴。スポーツを通じ、子どもたちが主体的に行動したり、コミュニケーション能力や問題解決能力を高めたりすることを目指している。同時に、子どもたちだけではなく、コーチもまた学ぶ姿勢を持ち、ともに成長していこうという場でもある。

 BUAS創設当初より、アイスホッケーとの2本柱となってきた「BUラグビーアカデミー」では、元日本代表選手がコーチを務めながら、スキル指導はほとんどない。小中学生いずれのクラスでも、核をなすのはミニゲームとチームトークだ。毎週、違った条件が設定されるミニゲームを行い、子どもたちはゲームの合間に設けられるディスカッションタイムで、何が上手くいったのか、何が上手くいかなかったのか、なぜ思い通りにできなかったのか、できるようにするためにはどうしたらいいのか、といったテーマで意見交換。コーチも話し合いの輪に加わるものの意見はせず、話が脱線したり行き詰まったりした時にナビゲート役を買って出るのみだ。

 ベースボールアカデミーのコーチ就任にあたり、ラグビーアカデミーに体験入門した的場氏と内氏は、物怖じせず活発に意見交換する子どもたちの姿に「衝撃を受けました」(内氏)と目を丸くする。昨季までロッテ一筋17年、マウンドで右腕を振り続けた内氏は、こう言う。

「僕は全くラグビーのルールを知らないままクラスに臨んだんですけど、子どもたちに教えてもらいながらやって、すごく楽しかったです。練習中は子どもたちが発言する機会が多くて、僕に教えてくれたのも全部子どもたち。野球のスクールや教室では子どもたちは教えられたことをやっているだけなことが多いので、これはすごいな、と。このままだと、ラグビーをやっている子と野球をやっている子では、真逆に育つんじゃないかとも思ったので、ぜひこういった育成の形は野球でも採り入れたいですね」

 最近は野球界でも指導者の意識改革が進んでいるが、いまだ主流なのが監督やコーチが選手に一方的に教える“詰め込み型”の指導だ。選手に主体性を持たせないがために、いわゆる“指示待ち人間”を作ってしまう。現役時代から指導者になることを視野に入れていた内氏は、指導現場の情報収集にも積極的で「このままで子どもたちの成長に繋がるのか」と疑問を抱いていたという。そんな時、目の当たりにしたラグビーアカデミーの子どもたちの姿に「真逆に育つんじゃないか」と危機感を抱いたのは自然の流れだったのかもしれない。

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