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部活動の“理不尽”をどう乗り越えたのか 小林祐三は「その先の自分を想像した」

理不尽をどうやって反骨心に変えられるか

 昨今、ハラスメントや体罰は社会的な問題となっている。それが当たり前のように横行していた高校時代を生きたのが小林の世代だろう。

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「体罰や暴力でしか伝わらないこと、はないと思います。大きな声を出して威嚇し、手を振り上げなければ解決できない、ではいけない」

 プロサッカー選手から会社員となった今、あえて警鐘を鳴らす。揺るがない信念を持っていた小林は結果として我慢するメンタルや忍耐力を身につけたが、すべての事象をポジティブに変化できるのは限られた人だけだ。

 理不尽を反骨心に変えられるか、否か。

「厳しさや苦しさに屈して夢をあきらめるという自分は許容できなかった。自分が乗り越えた先を想像して、負けなかった自分や乗り越えてプロになる自分を、その時は言語化できなくても漠然としたイメージは持っていました。こうやって笑い話にできる自分が誇らしいけど、それはひとつの結果論に過ぎないのかもしれません」

 プロサッカー選手になる夢を叶え、Jリーガーとして成功を収めた男の言葉だからこそ、重い。素晴らしいモデルケースである一方で、レアケースなのも間違いない。(文中敬称略)

[プロフィール]
小林祐三
1984年11月15日、東京都生まれ。5歳でサッカーを始めると、プロサッカー選手になることを夢見てサッカー処、静岡の静岡学園高校に進学。2004年に念願叶って柏レイソルでプロデビューを飾る。2011年に横浜F・マリノスへ移籍、2017年からはサガン鳥栖でプレーし、昨シーズンを持って17年間のプロサッカー選手としての人生を終えた。2021年1月、株式会社Criacaoへ入社。同時に、関東サッカーリーグ1部に所属するクリアソン新宿でアマチュア選手としてプレーを続けている。

(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)

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