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39歳の新たな挑戦 松井大輔がベトナム移籍を決めたワケ「生き様から何かを感じてほしい」

松井が所属するサイゴンFCが掲げる明確なビジョンと将来設計とは

 とにもかくにも2週間の隔離生活を無事に終えることができて、年末からは加入したサイゴンFCのトレーニングに参加できるようになりました。サイゴンFCは昨シーズンから10人以上の選手が入れ替わり、新しいスタートを切ったチーム。僕はトップ下のようなポジションでプレーしているけど、技術や戦術に関しては発展途上かもしれない。でもそれは“伸びしろ”と言い換えることもできると思う。

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 僕が今回の移籍を決断した大きな理由に、サイゴンFCが掲げるビジョンや将来設計があった。昨季3位になったことでAFCカップの出場権を得て、その大会で優勝して、さらにステップアップしていくという明確な目的がある。そのためにプロサッカー選手としての立ち居振る舞いやクラブとしての在り方をできる限り伝えていきたい。

 会長のビンさんは25年くらい前に日本に住んでいた人で、日本語も話せる。そして日本と日本人の文化や精神をベトナム人に学ばせたいと考えているようで、いわゆる“おもてなし”の心だね。ただ、プロサッカークラブに何が必要なのか知識が不足していることを自覚していて、そこで僕の経験が少しでも役に立てばと思う。

 例えば、スタジアムにはどのような設備が必要なのか。練習場は天然芝のグラウンドが2面確保できて、クラブハウスにはトレーニングジムや交代浴ができるお風呂があったら最高だ。そういった日本では当たり前なことを彼らは知らない。Jリーグが誕生した1993年前後のような感覚だと思ってもらえればいいかな。

 サッカーと向き合う姿勢についても、僕が伝えられることは少なからずあると思う。ベトナム出身の選手はみんな一生懸命プレーしていて、ただ試合や練習に向けてどのような準備、メンテナンスを行えばいいのか分からない。彼らはこちらに聞いてくる姿勢を持っているので、プロ生活21年で培ってきた知識と経験を生かしてクラブの発展に貢献したいと思っているよ。僕は長年、カズさん(三浦知良)にプロとは何たるかを背中で見せてもらってきたので、今度は自分がその役目を果たしたい。

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