39歳の新たな挑戦 松井大輔がベトナム移籍を決めたワケ「生き様から何かを感じてほしい」
多くのアスリートが人生の節目に進むべく道を決断していく。40歳を機にユニフォームを脱ぐ選手もいれば、40歳を前に新天地を求めて新たな旅路に向かう選手もいる。プロサッカー選手・松井大輔は12クラブ目となる新天地に、ベトナムを選んだ。
連載「松井大輔のベトナム挑戦記」第1回、コロナ禍の海外移籍で見たベトナムの現状
多くのアスリートが人生の節目に進むべく道を決断していく。40歳を機にユニフォームを脱ぐ選手もいれば、40歳を前に新天地を求めて新たな旅路に向かう選手もいる。プロサッカー選手・松井大輔は12クラブ目となる新天地に、ベトナムを選んだ。
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39歳の今も、チャレンジし続ける松井のベトナム生活を、自らの言葉で綴る「THE ANSWER」の連載「松井大輔のベトナム挑戦記」でお届けする。第1回は新たな挑戦の場所をベトナムに求めた理由――。
◇ ◇ ◇
日本の皆さん、お元気ですか。松井大輔です。
ベトナムへやってきて1か月が経ちました。僕が住んでいるのはホーチミンという大きな都市で、平均気温が25~30℃の熱帯気候です。ベトナムは経済的に右肩上がりの国で、どんどん発展している。クラブが用意してくれた素晴らしいマンションに住んでいて、とても居心地がいい。それから食事も日本人の好みに合っていると思うので、肉も魚も、それからフォーもおいしく食べています。
唯一の悩みは、ベトナム語がなかなか上達しないこと。なぜかというと、ベトナム語は同じ発音でも音の上げ下げで6個くらいの意味があって……。フランス語を話せる人がいると聞いていたけど、実際には全然いないし(苦笑)。フランス語の公文で問題集をやっていたけど完全に間違いだった。もう英語をマスターしたほうが早いかなと思っている今日この頃です。
みんなが気になっていると思う新型コロナウイルスの感染状況だけど、ベトナムは日本と比べると受けている影響が本当に少なくて、ほとんどの人々が普通に日常生活を送っています。カフェでティータイムを楽しんでいる人がいて、普通にランチや買い物をする光景がある。国全体として市中感染のリスクがない状況を作り出していて、コロナを怖がる心配やストレスが全くない。世界的に見ても、最も過ごしやすい国だと思う。
でも入国時の感染防止対策は日本以上に厳しくて、全員がPCR検査を実施した後に2週間の隔離生活を送らないといけない。窓が開かないようになっている完全密閉の部屋で感染防止対策は万全だったけど、とにかく精神的に苦しかった。僕はそこでエアロバイクをこいだり、体幹トレーニングをやったりしてコンディションを維持していました。
そうやって1日1回は運動する時間を設けていたけど、1日だけ何もしないで体を休める日を作ったら、何もすることがなくて息が詰まりそうになってしまった。毎朝10時からやっていたベトナム語の勉強も、最初に記したようにチンプンカンプンで頭が痛くなってしまったし(苦笑)。1日3回、食事を持ってくる人が鳴らすチャイムの音だけが楽しみでした。