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18歳キャンプ初日に自信喪失 不安に駆られた元ロッテ選手が「救われた」コーチの言葉

「THE ANSWER」では、「元プロ野球選手」のセカンドキャリアに注目し、第二の人生で奮闘する球界OBにスポットライトを当てる「Restart――戦力外通告からの再出発」を連載開始。第1回は2013年の育成ドラフト1位でロッテに入団し、現在は日本プロ野球選手会事務局で活躍する25歳・肘井竜蔵さんに話を聞いたが、インタビューの中で掲載できなかった現役中の秘話を「こぼれ話」としてここで紹介する。

元ロッテ肘井竜蔵さんがプロ1年目を回想した【写真:宮内宏哉】
元ロッテ肘井竜蔵さんがプロ1年目を回想した【写真:宮内宏哉】

日本プロ野球選手会で奮闘中、元ロッテ肘井竜蔵さんがプロ1年目を回想

「THE ANSWER」では、「元プロ野球選手」のセカンドキャリアに注目し、第二の人生で奮闘する球界OBにスポットライトを当てる「Restart――戦力外通告からの再出発」を連載開始。第1回は2013年の育成ドラフト1位でロッテに入団し、現在は日本プロ野球選手会事務局で活躍する25歳・肘井竜蔵さんに話を聞いたが、インタビューの中で掲載できなかった現役中の秘話を「こぼれ話」としてここで紹介する。

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 高卒1年目の2014年2月、シーズン開幕前の沖縄・石垣島キャンプで、肘井さんは初日から自信をへし折られる出来事を経験した。背番号3ケタの育成選手だった当時18歳が立ち直り、19歳での開幕1軍を勝ち取るまでに成長したきっかけを作ったのは、あるコーチからの一言だった。(文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

 ◇ ◇ ◇

「すぐに思いつくのは、プロ1年目の春季キャンプの衝撃。『えっ……』という感覚でした」

 現役生活の中で最も印象に残っている出来事は何か、という質問に肘井さんは即答した。兵庫・北条高からロッテに入団し、初めて迎えた石垣島キャンプ初日のことだという。

 1軍の試合に出場できないが、将来を期待された「育成選手」としてプロ入り。背番号122のユニホームをまとい、2軍練習場で将来の主力を目指してスタートを切った2月1日。バッティングマシンや打撃投手を相手にしたフリー打撃で、18歳の希望はいきなり絶望に変わった。

「プロ野球選手の打球の飛距離ですよね。左打ちの僕が引っ張った打球よりも、右打者のG.G.佐藤さんたちが流した打球の方が飛んでいく。その衝撃ですね」

 当時、チームから個人での調整を任せられたベテラン選手は、キャンプ開始直後は2軍練習場で調整をするケースが多く、入団したての若手と並んで打撃練習をすることもあった。

 高校通算46本塁打とパワーには自慢があった肘井さん。左打席から思い切り引っ張ってライト方向へ飛ばした飛距離を、シーズン20本塁打以上を3度マークしているG.G.佐藤氏など実績ある右打者は流し打ちで軽々と越えていった。

「こんな世界でやっていけるのか」

“プロ初日”からくじけそうだった。先行き不安な若者を救ったのは、当時の2軍打撃コーチ・山下徳人氏の言葉だったという。

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