佐藤琢磨、43歳で現役にこだわる理由 若手が知るべき野心「リアルな姿を見てほしい」
自動車のインディカー・シリーズは25日に今季が終了。日本人ドライバーで唯一参戦している佐藤琢磨(ホンダ)は、シーズンランキング自己最高の7位で終えた。新型コロナウイルス感染拡大を受け、約3か月遅れで6月に開幕した今季は、8月に行われた世界3大自動車レースの一つ、インディ500で2017年以来2度目の優勝を遂げた。計14試合で8度、トップ10に入り、ポールポジションは1度。25日の最終戦後に電話インタビューに応じてくれた佐藤は、今季を総括するとともに、現役に対する強い思いを語った。
佐藤琢磨に電話インタビュー、現役に対する強い思いを語った
自動車のインディカー・シリーズは25日に今季が終了。日本人ドライバーで唯一参戦している佐藤琢磨(ホンダ)は、シーズンランキング自己最高の7位で終えた。新型コロナウイルス感染拡大を受け、約3か月遅れで6月に開幕した今季は、8月に行われた世界3大自動車レースの一つ、インディ500で2017年以来2度目の優勝を遂げた。計14試合で8度、トップ10に入り、ポールポジションは1度。25日の最終戦後に電話インタビューに応じてくれた佐藤は、今季を総括するとともに、現役に対する強い思いを語った。
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「コロナ禍のパンデミックで世界が大変な状況の中でレースを開催できたことに感謝したいです。無観客レースが多かった中でもファンの方が応援してくださった。無事にシーズンを終えられて本当に良かったです」と、真っ先に周囲への感謝の気持ちを表した。
結果的にビッグレースを制した1勝に終わり、シーズン王者争いに絡めなかった悔しさも残った。「ふがいない結果に終わったレースや不可抗力でうまくいかなかったレースもあり、もっとできたという思いもある。年間ランキングはもっと上を狙っていたので次の課題として頑張っていきたいです。シーズンを戦うドライバーとしてチャンピオンシップは究極の目標であり、夢。ハードルの高いチャレンジですが、走る以上は挑戦していきたい。来年の現実的な大きな目標としてはインディ500の連覇」。12年目の来季へモチベーションは高い。
◇現役続行を後押ししたインディ500制覇
シーズン最終戦直前に所属先のレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)残留が決定した。通算6勝のうち、18年に復帰後4勝をマーク。ドライバーとエンジニア、クルーのバランスが年々改善されており、信頼を置くスタッフと継続して戦えるのは心強い。「継続できるのは大きな力になるし、チームもしっかりと前進している。安定した環境で走れるのはとても大きい」と手応えを示す。
早くからオーナー陣は佐藤との再契約の意向を示していたが、本人は最後まで現役を続行できる確信はなかったという。莫大な活動資金がかかる上に、コロナ禍で経済情勢も不安定な中、多くのチームが予算規模を縮小させていたからだ。「夢のようというか、奇跡ですよね。年齢的に考えても、経済的な情勢を見ても、継続するだけでも本当に大変なことだと承知している。インディ500の優勝が背中を後押ししてくれていると思う。経営陣に感謝したいです」と謙虚に喜びをかみしめている。