歴史は1986年から始まった― 日本サッカー界とアル・ヒラルの因縁
奥寺氏のハットトリックなどでアル・ヒラル快勝…完全制覇を成し遂げる
実際、大会を通して「日本のマラドーナ」と称賛された前田秀樹氏(現・東京国際大監督)も、控え目な目標しか立てられなかった。
「なんとか勝ち点1は取りたいな、と話していました。取れるとしたら、相手は中国かな、と」
地の利を考えても「中東勢有利」は動かしがたく、2戦目のアル・タラバ(イラク)との試合でも相手サポーターが大挙駆けつけ、完全アウェーの試合を強いられた。だが古河は、ブンデスリーガから復帰したばかりの奥寺康彦氏のハットトリックなどで、アル・ヒラルに4-3で快勝。さらにアル・タラバ、遼寧(中国)にも連勝して完全制覇を成し遂げる。逆に大会最終戦に組み込まれた中東決戦は、優勝決定後の消化試合になってしまった。
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加部究●文 text by Kiwamu Kabe