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楽しみながら「考える力」を 元バスケ日本代表が故郷・福島で伝えた成長のカギ

全員の子どもたちが集合したのは3月以来だった【写真:村上正広】
全員の子どもたちが集合したのは3月以来だった【写真:村上正広】

コロナ禍で4か月間の活動自粛、7か月ぶりの全体練習でスペシャルゲストによる指導

 続いてはパス練習。渡邉氏は「体が安定するスタンスを取ること」「指先を使ってパスを出すこと」「膝を曲げるのではなくお尻を落とすこと」など、怪我をしないための基本をアドバイス。片手パス&片手キャッチ、片足立ちでバランスを取りながらのパス、バレーのトスアップなど、バラエティに富んだパス練習の方法を紹介した。

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 2人の中間に位置する人の股下にワンバウンドでパスを通す練習をしたり、1メートルほどの間隔で置いた2つのコーンを使い、鬼ごっこの要素を取り入れて小回りを利かせながらドリブルしたり、素速い攻守の切り替えをしたり。1対1のシュート練習ではコーンが置かれた場所を通過するとポイントをゲットできるなど、渡邉氏が紹介したメニューはどれも、子どもたちが楽しみながらも、知らず知らずのうちに頭を働かせ、同時にスキルが身につく仕組みとなっている。

 4対4のミニゲームが始まると、「こっちこっち」「行くよ!」「やったー!」など、子どもたちの口から自然と仲間を呼ぶ掛け声が飛び出すようになった。普段から「子供たちに必要なのは、厳しい指導ではなく、楽しむことと考えること」と考える渡邉氏が願う通りの成長を見せた子どもたち。この様子を頼もしそうに見守ったのが、「川南ドルフィンズ」の遠藤コーチだ。

 コロナ禍もあり、4月から4か月間の活動自粛を強いられた。子どもたちは外で遊ぶこともできず、バスケットボールへの思いを募らせた。活動再開後も3密を避けるために、男女別のスケジュールで練習を実施。全員が集合したのは、この日が実に3月以来、初だった。「川南ドルフィンズ」では、バスケットボールを通じて子どもたちが考える力を身につけたり、他人への挨拶や礼儀など人として大切なものを学んでほしいと願っている。その中で、子どもたちが夢や目標に向かって頑張る大切さを知ってほしいと、「東北『夢』応援プログラム」に参加することになった。

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