村田諒太、“ミドル級スーパー・スターウォーズ”に殴り込み 待ち受ける次のシナリオは
エンダム戦勝利で大舞台へのチケット入手、防衛戦を重ねて“大物”との対戦を狙う
今のアメリカでタイトルは名刺代わり。WBAタイトルを獲ったとはいえ、現時点での村田の本場での知名度、商品価値は決して高いとは言えない。“名刺不要”なスターたちとの対戦を考える前に、まずはある程度ネームバリューのある選手と1、2度の防衛戦を行わねばならないだろう。もっとも、そんな状況を悲観的に捉える必要はない。
むしろこれだけのメンバーが揃っているならば、“ダンスパートナー”は常に必要になる。2018年中に世界レベルの実績を重ねれば、村田もいずれかの猛者の対戦相手として浮上する可能性は十分だ。そんな大舞台へのチケットを手に入れたという意味で、10月のアッサン・エンダム(フランス)戦での勝利には計り知れない価値があった。
2018年、正真正銘の「ミドル級スーパー・スターウォーズ」が始まろうとしている。カザフスタン、メキシコ、アメリカ、イギリス、カナダなどに加え、日本のスターも含まれる。世界中のボクシングファンが熱狂する季節はもう間近に迫っている。
◇杉浦大介
1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)
【了】
杉浦大介●文 text by Daisuke Sugiura