【One Rugbyの絆】スピードと興奮を求めて進化 15人制から派生した13人制のラグビーリーグの魅力
13人制で見つけた自分のポジション「僕に合うポジションは15人制にはありませんでした」
イベント開催などを企画していたが、コロナ禍により軒並み白紙。現在は、毎月開催される「練習会」を通して、子どもから大人まで、初心者から経験者まで、幅広く13人制の魅力を伝えている。また、都内で小中学生を対象としたアカデミーを開催し、ラグビーリーグのルールを基本としながら、15人制でも使えるスキルを伝えている。
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「去年から小中学生にもラグビーリーグを知ってもらおうと始めました。ただ、日本では高校生になったら15人制をプレーする流れになる。だから、ユニオンでも生かせるスキルをテーマに教えています。高校を卒業した後、大学生、社会人となった時にリーグを思い出して、またプレーし始めてくれれば面白いなと。国内リーグの整備を進めていきますが、同時に学生チームも出たり、学生が運営するリーグができても面白いですよね。女子も含め、可能性はいろいろあると思います」
小中学生の頃からラグビーリーグの存在を知ってもらうだけでも大きな意味を持つ。ただ、そこで終わらないように、今アカデミーにいる子どもたちが高校を卒業する頃には、国内でラグビーリーグがプレーできる環境を整えておきたい。そのためにも、今回参加するOne Rugbyで生まれる横の繋がりを生かしながら、ラグビーリーグにも大きな波を起こしたいと考えている。
「僕は10人制もやりましたし、タッチラグビーも代表合宿に行きました。タッチラグビー自体、ラグビーリーグから生まれたスポーツなので、親和性が高いんですよ。オーストラリアで人気が高いタグフットボールも同じです。ハーフバックというポジション柄、いろいろなスキルを身につけたいと思って、いろいろなラグビーをやってみましたが、学ぶことが本当に多かった。15人制しかやったことがないという人は結構多いと思うんですけど、いろいろな人にいろいろなラグビーをやってほしいですね。
15人制って15個ポジションがあって、その中に自分に合うポジションがどこかにあるって言われていると思うんですけど、僕に合うポジションは15人制にはありませんでした(笑)。でも、ラグビーリーグにはあったんです。いろいろなラグビーを試す中で、自分の可能性を見出したり、気付いて楽しめるようになったら面白いんじゃないかと思います」
15人制に比べて、日本ではまだまだ発展途上の13人制。それは裏を返して言えば、計り知れない可能性に満ちた競技ということでもある。One Rugbyの活動を通じて、まずは多くの人に知り、楽しむ機会を提供していきたい。
【狩野さんが見る「車いすラグビー」のここがスゴイ!】
車いすラグビーをやってみたいですね。そして、もう1つ、まだOne Rugbyには参加していませんが「ウィルチェアーラグビーリーグ」という、ラグビーリーグの車いす版があるんです。これはパラリンピックの正式種目になっている車いすラグビーとは違って、楕円球のボールを使い、ルールはラグビーリーグそのまま。車いす同士で正面で止め合うから、ものすごい迫力です。もし僕が動けなくなることがあったら、ウィルチェアーラグビーリーグをやるんだろうと思います。もちろん、今もチャレンジできますし、やってみたいんですけど、ちょっと怖いですね(笑)。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)