最年長2000本安打はいかにして生まれたのか 「職人技」磨き続けた男の原点
大森大祐●写真 photo by Daisuke Ohmori
成長の原点となった言葉、「凄くしっくりくる言葉でした」
練習の意味がしっかりと理解できるから「質」が上がる。あれもしたい、これもしたいという「欲」も出てくる。ベテランであっても新しいことは身につく。40代に突入しても、貪欲な姿勢を持ち続けていた。
和田の好きな言葉に「不撓不屈」がある。
辞書を引けば「どんな困難にあっても、強い意志を持ってくじけない」とある。母校・県岐阜商の校訓であり、彼は高校時代からこの言葉を大切にしてきた。
「あがく、一生懸命、あきらめない。不撓不屈にはそういう精神が込められていて、自分にとっては凄くしっくりくる言葉でした」
諦めることなく一生懸命にあがいていれば、上達できる。職人技というものは、そうやって生まれるものなのかもしれない。
【了】
二宮寿朗●文 text by Toshio Ninomiya
大森大祐●写真 photo by Daisuke Ohmori