球団職員は「好きを突き詰めた」集団 ロッテ名物ウグイス嬢が語る“球団の仕事図鑑”
職員志す人へのアドバイス「好きなことを突き詰めたほうがいいかも」
華やかな舞台を支える球団職員。野球ファンなら、憧れる人も多いはず。もし、球団職員を志す人へ向けてアドバイスを送るなら――。質問に、谷保さんはこう答えてくれた。
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「好きなことを、突き詰めたほうがいいかもしれないですね。それが、もしかしたら活かせるかも。いろんな職種の方がいますし、実力を使えるところはたくさん出てきていると思う。得意なこと、好きなことを突き詰めて、何か身につけたほうが活躍できる場はあるのかなという気はしますね。
例えば、しゃべりがうまい人や、プレゼンがうまい人も必要ですし、資料も『これはこの人しかできない』という素晴らしいものを作るというのも芸。人当たりがよくて業者さんとのやり取りがうまいというのも必要ですし、新しいことをどんどん取り入れていける人も必要。何かそういうものは感じますね。球団としても魅力的になっていくのかなと」
かく言う谷保さんも、幼少期にテレビでホームランを連発する巨人・王貞治氏に魅了され、甲子園のウグイス嬢に憧れ、“好き”を追求して現在に至る。知人からは「天職」とも言われるこの仕事に就き、初めてダイエーの監督としてマリンを訪れた王氏の姿を見た時の感動は今も忘れられない。
無観客試合が続くプロ野球。「1人でしゃべってる感あるこの空間に、逆に責任を感じる」と語る谷保さんのウグイス嬢30年目も開幕した。球場の外にいるファンへ、少しでも楽しい野球を届けるために貢献する。球団に欠かせない、スペシャリストの1人として。
■谷保 恵美(たにほ・えみ)
1966年5月11日生まれ。北海道帯広市出身。帯広三条高では野球部マネージャー。札幌大女子短大に進学後も札幌大野球部のマネージャーを務める。90年にロッテオリオンズ入社。91年から主に2軍の球場アナウンスを担当する。94年からは主に1軍本拠地を担当し、96年10月1日の近鉄25回戦以後は1試合も休むことなく連続担当を継続中。昨年7月30日のオリックス戦で担当1800試合を達成した。今季ウグイス嬢歴30年となる。右投右打。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)