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「浦和でレッズが宝物になった瞬間だった」 元日本代表FWが目撃した涙の決勝ゴール

「"サッカーの街"浦和でレッズが本当に宝物になった瞬間だった」――森山泰行(元名古屋グランパスエイトほか/現・浦和学院高校監督)

1999年最終節でJ2降格 試合終了の瞬間「深い悲しみが伝わってきた」

「”サッカーの街”浦和でレッズが本当に宝物になった瞬間だった」――森山泰行(元名古屋グランパスエイトほか/現・浦和学院高校監督)

 今季のJ1リーグも終盤戦に突入した。優勝争いとともにJ1・J2の昇降格争いにも注目が集まるが、日本代表での国際経験も豊富で、東京・国立競技場での決勝という大舞台も何度か経験してきた三浦淳寛は、かつてこんなことを話していた。

「選手生活を通じて、(ヴィッセル)神戸時代の入れ替え戦(2006年)が一番緊張した」

 クラブの翌年の命運が懸かった試合は、選手にとってもサポーターにとっても、本当に痺れる体験になる。

 冒頭の言葉は、1999年11月27日、Jリーグ・セカンドステージ最終節を終えたばかりの埼玉・駒場スタジアムの異様な光景を見た元日本代表FW森山泰行の率直な感想である。このシーズン、浦和レッズは最終戦を延長Vゴールで勝利しながら、J2に降格した。森山は、この試合でサンフレッチェ広島のメンバーとして浦和と戦っていた。試合終了のホイッスルが鳴っても、誰一人席を立たず、音も発しない。

「こんな光景は初めてでした」

 森山は驚愕した。

「まるで高校選手権で負けたチームみたいに、深い悲しみが伝わってきた」

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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