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佐藤琢磨、開幕戦は無念のクラッシュ 厳戒態勢での開催には「すごく感謝しています」

佐藤は無念のクラッシュも開催に感謝

 インディカー参戦11年目を迎えた佐藤琢磨は決勝に出場できなかった。昨年、このコースでポールポジションを獲得していただけに期待が懸かったが、決勝前に行われた予選のウオームアップ走行で、コーナーに入るところでスピンしてウオールにクラッシュ。マシンが破損し、約2時間半後の本番に間に合わなかった。

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 佐藤は予選後、電話取材に応じ、「全く予想していなかったですね。ウオームアップラップでスピードを上げている最中。コーナーに入った瞬間にコントロールを失ってしまいました。できる限りの準備をしてきましたが、それを発揮できなかったのはとても残念。ファンの皆さんも楽しみにしてくれていましたし、ようやく開幕できるというときに出られないのは何て言ったらいいのか……。申し訳ない気持ちでいっぱいです」と、さすがにショックを隠せない様子だった。

 予選ということもあり、スピードを上げながらマシンの感触を確かめている段階での思わぬアクシデント。滑りやすくなっていた路面に足元をすくわれた形だが、「セッティングを含めて攻めすぎていたのかもしれないし、僕自身ももうちょっと様子を見ながら慎重に行くべきだったのかもしれないけど予選ですからね。(ワンデイ開催の)状況はみんな同じだし、難しいのは難しいけど、こういうのは予想していなかったのでショック」という言葉に悔しさがこもる。1日開催でなければ修理の時間は十分あっただけに、不完全燃焼の思いは強いだろう。公式プラクティスで6位のタイムを出し、「感触は良かった」と言うだけに次戦に繋げたいところだ。

 スポンサー陣も現場に入れないほどの厳しい規制が敷かれた開幕戦。ドライバーやチーム関係者、報道陣や主催者側も通常とは大きく違う環境で試行錯誤を強いられた。それでも、SNSなどで多くのモータースポーツ・ファンがポジティブな反応を示しており、まず無難にシーズンを滑り出したことは収穫。佐藤も「状況が状況だけにレースできるだけでもすごく良かったと思います。これを可能にしてくれた皆さんにすごく感謝しています」と語った。記者会見でも、多くのドライバーがシーズンを無事にスタートできたことへの安堵感を滲ませていた。

 7月4日にインディアナ州インディアナポリスで行われる第2戦も、無観客での開催となる。5月から延期されたインディ500がある8月までには観客を入れての開催を目指しているという。感染防止対策と取材規制が次戦までにどこまで緩和されるのか不透明だが、少しずつでも通常に近い形のオペレーションに戻っていくことを期待したい。

(岡田 弘太郎 / Kotaro Okada)

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