体操男子監督・水鳥寿思は“考える人” 既存の枠超えるアイディアが日本を強くする
避けては通れない「お金」の話 「自分たちでどうやってお金を生み出すか」
東京オリンピック・パラリンピック開催の影響で、日本では「する」スポーツや「見る」スポーツへの関心が高まり、以前に比べて多くの公的資金がスポーツ振興事業に充てられるようになった。2001年から始まったスポーツくじの収益による助成金も、競技団体や選手個人にとって大きなサポートになっている。水鳥はこういった現状に感謝しつつ、新たな活動資金を生み出す仕組みについても頭をフル回転させている。
「僕ら日本体操協会も、今まで競技団体として『お金がないので協力してください』とお願いする形が多いんですが、自分たちでどうやってお金を生み出すかという知恵だったり行動だったりが必要だと思っています。スポーツくじのようなアプローチはその1つだと思っていて、メリットとデメリットはありますが、欧米のようなスポーツベッティング(スポーツくじ)の方法もある。もちろん、楽しめる範囲で、ですが。お客さんがスポーツを見て、ベットして楽しみ、楽しむことで生み出されたお金で選手がサポートされるような循環。スポーツの面白さを伝えながら、選手にお金が還元される仕組みを作ることが大事だと思っています」
現状を把握して問題を発見し、目標を立てて解決までの戦略を練る。基本線をブラすことなく、指導者・水鳥寿思は歩み続ける。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)