【#キミとONETEAM】「もらった刀を見て、悔しい気持ちを思いだしている」―サントリー・梶村祐介
W杯メンバーに入れなかった悔しさを忘れないためのアイテムとは…
ただ、トップリーグが中止になってしまったことはしょうがないと思っています。今は世界的に大変な状況なので、まずはみんなが自分の体調を管理して、命を大切にすることが大前提。今年のトップリーグはもうありませんが、僕たちは次のシーズンに向けて準備をしているので、子どもたちをはじめ、W杯でラグビーに興味を持った方たちには、また試合を見に来ていただき、ラグビーを盛り上げていければと思います。
ラグビーが持つ魅力の一つは、選手とファンの距離の近さにあると思っています。トップリーグの中止が決まる前には無観客試合という案もあったようです。ラグビーができること自体うれしいことですが、まったく違うものになっていたでしょう。この期間を過ごす中で、今までファンの前でラグビーをしていたことが、いかに幸せなことだったか、感じています。
今、僕は自宅でトレーニングを続けています。チームから借りてきたダンベルを使ったトレーニングだったり、コアを鍛えるトレーニングだったり。家の中ではできることは限られますが、いろいろ工夫しながらやっています。
こんなに長く、外でラグビーをできない経験は初めてです。こんな日が来るとは想像したこともありませんでした。確かに、モチベーションを保つのが難しい部分もありますが、前向きに捉えれば、次のシーズンに向けて準備できる時間がたくさんあるということ。しっかりリフレッシュする時間も作りながら、準備を進めています。
友達と会えなかったり、外でラグビーができなかったり、残念に思う子どもたちも多いと思います。つらく感じたり、苦しく思うこともあるでしょう。僕もラグビーを続ける中で、何度も苦しいことがありました。昨年は日本代表候補に選ばれ、直前の網走合宿まで参加しましたが、W杯のメンバーには入れませんでした。もちろん、悔しかったです。
でも、人間って1か月、2か月と経つと、悔しかったこと、苦しかったこと、悲しかったことを徐々に忘れてしまうんですね。それがいい時もありますが、僕は悔しい気持ちを忘れずに、自分のステップアップにつなげることにしました。実はW杯メンバーから漏れた選手全員に、チームから刀がプレゼントされたんです。僕はその刀を常に自分の視野に入る寝室において、見るたびに悔しい気持ちを思い出すようにしています。次のW杯はもちろん狙いますが、まずは次のトップリーグ、次のテストマッチに向けてしっかり準備をしたいと思います。