【#キミとONETEAM】「W杯前にアキレス腱が切れた。でも決めたことはやり抜いた」―元日本代表・庭井祐輔
新型コロナウイルスの感染拡大により、昨秋のワールドカップ(W杯)で空前のブームが巻き起こったラグビー界も大きな影響を受けた。1月に開幕したトップリーグがシーズン途中で中止。1試合の観客最多動員を記録する試合も生まれるなど、W杯から続いていた盛り上がりが予期せぬ形で途絶えてしまった。
子どもたちともう一度「ONE TEAM」に―「ラグビー選手から午前9時のメッセージ」第23回
新型コロナウイルスの感染拡大により、昨秋のワールドカップ(W杯)で空前のブームが巻き起こったラグビー界も大きな影響を受けた。1月に開幕したトップリーグがシーズン途中で中止。1試合の観客最多動員を記録する試合も生まれるなど、W杯から続いていた盛り上がりが予期せぬ形で途絶えてしまった。
【注目】現役、OB、指導者ら豪華メンバーが連日登場 ラグビー連載「#キミとONETEAM」全一覧はこちらから
もっとプレーを見せたかった選手、プレーを見たかった子どもたち。距離が遠くなってしまったいま、「THE ANSWER」はラグビー界がもう一度、子どもたちと一つになれることを願って、「#キミとONE TEAM」と題した連載をお届けしている。
元日本代表主将の菊谷崇さんと廣瀬俊朗さんが発起人となり、多くの現役、OB、指導者らが賛同。いま抱えている思いとともに、全国の子どもたちに向けたメッセージを送る。また、記事は連日午前9時に配信。「#きょうのトライ」として、学校が休校となっている子どもたちにきょう1日を使い、やってほしいことを提案する。
第23回は、キヤノンイーグルスの元日本代表HO庭井祐輔さんだ。日本代表の一員として活躍していたが、2019年の1月にアキレス腱を断裂し、W杯メンバーからは無念の落選。次回2023年のフランス大会への意欲を燃やす男からのメッセージとは。
◇ ◇ ◇
トップリーグが中止になって以降、3月中旬からチームでの練習はできていません。グラウンドやジム、チーム施設が使えないので、家のベランダで体を動かしたり、公園を走ったりしています。これまではいいジムがあって、それが使えるのが当たり前でした。すごく恵まれていたと感じています。
今はダンベルも使えないので、ゴムチューブなどで代用しています。もともと知っていた練習メニューではできないことも多いので、どうすればいいか考える機会が増えました。何をどうしたら、筋肉に効果的に効かせられるのか。小さい負荷の中でも鍛えられるように工夫しながらやっています。今はYouTubeにもたくさんトレーニング動画がありますし、僕たちも頼っています。知らない方法も多く、こんな機会でなければやっていなかったメニューもありました。
家にいる時間も多いので、妻の手伝いで家事をするようになりました。これは趣味なのですが、家にはエスプレッソマシンがあるので、じっくりとコーヒーを淹れるのも気分転換になっています。今まではたまに作るくらいでしたが、真剣に取り組んでみようと思って、毎日3回くらい作っているので上達してきました。
コーヒーには以前に遠征先ではまったのですが、こういう時期なので何か集中してやってみようと思って始めました。実は妻が妊娠していて、今はコーヒーが飲めない状況なんです。8月に出産予定なので、何とかその時期には状況が落ち着いていて、出産に立ち会えたらというのが個人的な今の願望です。
子どもたちにとっても今はつらい時期だと思います。学校に行けない、友達に会えない。これまで当たり前だったことが、当たり前ではなくなりました。そんな時にこそ、普段の生活のありがたみがわかるものです。一度じっくりと向き合ってみるのもいいかもしれません。
例えば、お母さんがいること。お母さんが普段から自分のために何をしてくれているのか。食事を作ってくれたり、掃除、洗濯をしてくれることに感謝をして欲しい。そして、自分からも両親に対して何かできることがないか探してみましょう。僕自身、家にいる時間が増えて、妻が何をしてくれているのかわかるようになりました。身近なところに発見があります。そういうところを見て欲しいなと思います。