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【今、伝えたいこと】 頑張るサッカー部員が報われる世界へ― 大津祐樹の挑戦「現役中にできることを」

新型コロナウイルス感染拡大により、スポーツ界はいまだかつてない困難に直面している。試合、大会などのイベントが軒並み延期、中止に。ファンは“ライブスポーツ”を楽しむことができず、アスリートは自らを最も表現できる場所を失った。

横浜F・マリノスのFW大津祐樹【写真:窪田亮】
横浜F・マリノスのFW大津祐樹【写真:窪田亮】

連載「Voice――今、伝えたいこと」、学生・ファンとつながる大津のメッセージ

 新型コロナウイルス感染拡大により、スポーツ界はいまだかつてない困難に直面している。試合、大会などのイベントが軒並み延期、中止に。ファンは“ライブスポーツ”を楽しむことができず、アスリートは自らを最も表現できる場所を失った。

 日本全体が苦境に立たされる今、スポーツ界に生きる者は何を思い、現実とどう向き合っているのか。「THE ANSWER」は新連載「Voice――今、伝えたいこと」を始動。各競技の現役選手、OB、指導者らが競技を代表し、それぞれの立場から今、世の中に伝えたい“声”を届ける。

 第6回はサッカーJ1横浜F・マリノスのFW大津祐樹が登場する。Jリーグが3月から中断となる中、学生支援やファンとの交流をオンラインで行うなど、自身は“今できること”を追求。全国高校総合体育大会(インターハイ)が中止となり、目標が失われた高校生へ向けてエールを送るとともに、前向きに先を見据えることの大切さを説いた。

 ◇ ◇ ◇

 困難な時期でも、前を向いてほしい――。1963年から毎年開催されてきたインターハイは、史上初めての中止が決まった。見えない敵に、目標としてきた舞台の1つを奪われた選手たち。計り知れない落胆を理解しながらも、大津は“今できること”の大切さを説いた。

「特に高校3年生には、インターハイや選手権はすごく大事。大きな目標を奪われてしまったという感覚になってしまったと思うんですけど、今できないというのは受け入れなければいけない現実としてあると思います。気持ちが折れないように、今できることを取り組むべきだと思うし、今だからできることももちろんあるので、その中でスキルアップに取り組んでほしいなと思います」

 インターハイにこそ出場経験はないが、自身にとって、サッカー選手としての礎を築いてくれたのが高校での3年間だった。中学時代、J1鹿島の下部組織に在籍していたが、ユースに昇格することは叶わず。大きな挫折を味わったが、進学した成立学園高(東京)では1年生で第84回全国高校サッカー選手権に出場するなど活躍。プロへの扉を開いた。

「一度挫折したところで、『プロになってやろう』という気持ちがより強く芽生えました。人より多くトレーニングしようとか、ここで負けたくないという気持ちが強くなりましたね。(高校時代は)サッカーの土台ができたというか、今のプロになるまでにつながっています」

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