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劇団四季→独立リーグ 高校野球未経験、異色の140km右腕は「演劇と野球の懸け橋に」

四国で目指す道「野球人口、ミュージカル人口を増やしたい」

 1年間の独立リーグ生活で四国の自然や現地の人の温かさに触れ、「はまっちゃったんですよね」と退団後は四国で活動することを決めた。2019年は西日本唯一の常設型劇場である愛媛・東温市の「坊っちゃん劇場」に所属。今年4月からは鳴門市の地域おこし協力隊として、ミュージカル制作、演劇教育などをメインに活動することとなった。

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 改めてミュージカルの力を感じた出来事があった。独立リーガーだった2018年、鳴門市の地域団体と約1時間のミュージカルを自主制作。公募して子ども達に出演してもらった時のことだ。

「素質のある、光っている子ども達もいたり、やっていく中で内気だった子が一歩踏み出せる勇気を持てたり、不登校だった子が学校に行けるようになったとか、そういう変化を感じた。演劇は歌ったり踊ったり、いろんな要素が詰まっている総合芸術。将来進む道というのはその子たちそれぞれですけど、1つのものを作るということを体験することで、なにか今後の手助けになったらいいなと思っています」

 一方で「ティーボール」の認定指導員資格を取得し、今年は学生野球の指導者資格回復研修も受講する予定だ。「いろいろなところから『指導してほしい』など声をかけていただいています。プレーヤーとして第一線は難しいけど、指導者としてちょっとでも野球面に貢献していきたいなと思っています」。

 自分を温かく迎え入れてくれた四国に、ミュージカルと野球の両面で恩返しをする。「舞台芸術を安定させるというか、舞台で生活できるようなスタイルを作っていきたい。野球人口が減ってきていて、ミュージカル人口も地方では少ない。少しでも野球人口、ミュージカル人口を増やしたい。好きになってもらえる人を増やしていくというのが、今の目標です」。紆余曲折の末にたどり着いた場所で、自分にしかできない花を咲かせるつもりだ。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

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