【#キミとONETEAM】「他のチームもすぐ友達に。それがラグビーの魅力」―元日本代表ホラニ龍コリニアシ
子どもたちがいま、できること「コロナが落ち着いたら何をしたいかプランを立ててみる」
僕はトンガで生まれました。日本に来たのは15歳の時、埼工大学深谷高(現・正智深谷高)でラグビーをするために留学してきました。僕の伯父さんがノフォムリ・タウモエフォラウというラグビー選手で、物心ついた時には日本でプレーしていたんです。子どもながらに衝撃を受けた憧れの人でした。僕はトンガでは一度もラグビーをしたことがなく、中学の時は吹奏楽部でトロンボーンを吹いていました。でも、どうしても伯父さんみたいになりたくて、お母さんの反対を押し切って日本にやってきました。
でも、日本に来たのはいいけれど、実際にラグビーを始めてみるとしんどくて……。本当はトンガに帰りたかったけど、帰ってもお母さんに合わせる顔がない。なので、自分で決めたことは最後まで責任を持とうと思ってやりきりました。いまとなっては、日本に来て本当によかったと思います。全然後悔していません。日本代表としてW杯にも出場し、一番喜んでくれたのはお母さんです。ラグビーでここまで来れるとは思わなかった、と言ってくれました。
いま、外に出られなくて残念に思っている子どもたちは多いと思います。でも、いまだからできるとはたくさんあります。コロナが落ち着いたら何をしたいかプランを立ててみるのもいいですね。いまからプランを立てて、落ち着いたら実行すれば、いろいろなことがすごくスムーズにできると思います。そして、自分が決めたことは、責任を持って最後までやりきってください。
海外ラグビーのビデオを見てみるのもいいかもしれません。これまでは外で練習することが多くて、特に海外の試合を見ることはほとんどなかったんじゃないかと思います。海外の選手のプレーを見ると、頭にいろいろなイメージが沸くと思うので、外に出られるようになったら、それを実践してみるのもいいですね。
ラグビーは仲間を大切にするスポーツです。僕にとってもラグビーが出会わせてくれた人たちは一生の友達です。自分のチームだけではなく、他のチームにいる人たちもすぐに友達になれる。兄弟みたいになってしまうのが、ラグビーの魅力だと思います。さっきまで激しいタックルを仕掛けた相手なのに、試合が終わったら笑顔で許しあってしまう。こんなスポーツ、ほかにはないと思います。
ラグビーに出会った子どもたちにも、また外でラグビーができるようになったら、たくさんの仲間を作ってほしいと思います。
【#きょうのトライ「バーピージャンプを100回やってみよう」】
僕はいま、家族みんなで1日100回バーピージャンプをしています。なので、みんなも挑戦してみてください。100回連続してやる必要はありません。10回を1セットとして、起きてから寝るまでの間に100回やる。バーピージャンプは全身を使うトレーニングなので、外に出られない子どもたちには、すごくいい運動になると思います。1日で合計100回を達成すればクリア! 僕はもう3週間以上やっていますが、いまではバーピージャンプをやらないと1日が物足りない感じになってきました。みんなも頑張ってみてください。
■ホラニ 龍コリニアシ(ほらに・りゅうこりにあし)
1981年10月25日生まれ、トンガ出身。中学時代は吹奏楽部だったが、伯父に憧れて日本の埼工大学深谷高(現・正智深谷高)に留学し、ラグビーを始めた。埼玉工業大に進学し、2006年に三洋電機ワイルドナイツ(現・パナソニック)に入団。07年に日本国籍を取得し、08年のカザフスタン戦で日本代表デビューを果たした。11年ニュージーランド大会、15年イングランド大会とW杯には2度出場。15年にはバーバリアンズのメンバーにも選ばれた。19年に引退し、パナソニックのFWコーチに就任した。ポジションはナンバーエイト、フランカー。日本代表キャップ数は45。
(次回は元日本代表の東芝・大野均さんが登場)
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)