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【#キミとONETEAM】「食堂で見たポスター1枚で僕の人生は変わった」―タッチラグビー日本代表・奈良秀明

新型コロナウイルスの感染拡大により、昨秋のワールドカップ(W杯)で空前のブームが巻き起こったラグビー界も大きな影響を受けた。1月に開幕したトップリーグがシーズン途中で中止。1試合の観客最多動員を記録する試合も生まれるなど、W杯から続いていた盛り上がりが予期せぬ形で途絶えてしまった。

タッチラグビー日本代表の奈良秀明さん【写真:本人提供】
タッチラグビー日本代表の奈良秀明さん【写真:本人提供】

子どもたちともう一度「ONE TEAM」に―「ラグビー選手から午前9時のメッセージ」第8回

 新型コロナウイルスの感染拡大により、昨秋のワールドカップ(W杯)で空前のブームが巻き起こったラグビー界も大きな影響を受けた。1月に開幕したトップリーグがシーズン途中で中止。1試合の観客最多動員を記録する試合も生まれるなど、W杯から続いていた盛り上がりが予期せぬ形で途絶えてしまった。

【注目】現役、OB、指導者ら豪華メンバーが連日登場 ラグビー連載「#キミとONETEAM」全一覧はこちらから

 もっとプレーを見せたかった選手、プレーを見たかった子どもたち。距離が遠くなってしまったいま、「THE ANSWER」はラグビー界がもう一度、子どもたちと一つになれることを願って、「#キミとONE TEAM」と題した連載をお届けしている。

 元日本代表主将の菊谷崇さんと廣瀬俊朗さんが発起人となり、多くの現役、OB、指導者らが賛同。いま抱えている思いとともに、全国の子どもたちに向けたメッセージを送る。また、記事は連日午前9時に配信。「#きょうのトライ」として、学校が休校となっている子どもたちにきょう1日を使い、やってほしいことを提案する。

 第8回は、タッチラグビー日本代表の奈良秀明さんだ。競技の第一人者として知られる37歳は選手として大学1年生で競技と出会い、W杯に5大会連続出場。現在は選手として活躍する傍ら、日本初のタッチラグビースクール「町田ゼルビアBLUES」を設立し、指導者として競技の普及にも精力を注いでいる。現役中に世界24か国を旅した“異色のラガーマン”が熱い思いを届ける。

 ◇ ◇ ◇

 皆さんは「タッチラグビー」って知ってますか?

 まずはタッチラグビーについて説明します。よく聞かれるのが、「15人でやるラグビーとどう違うの?」ということ。タッチラグビーは6人でプレーし、シンプルな違いは激しいコンタクト(接触)がないこと。ラグビーにあるタックルの代わりにタッチをする。タッチされたらボールを置いてプレーを展開し、「トライ」ではなく「タッチダウン」を目指します。

 接触がない分、みんなが気軽に参加できるのが、一番の魅力です。子どもたちにとっては、ボールを使った鬼ごっこみたいな感じ。しかも、チームでやる鬼ごっこ。ボールを使って走りまくるという子どもが好きな要素が競技に含まれています。オーストラリア、ニュージーランドが本場ですが、最近ではヨーロッパのほか、アジアでも広がってきています。

 僕がそんな競技と出会ったのは、大学1年生のときでした。

 もともと小4から野球を始め、高校生までやっていたけど、都立の無名校、野球で上を目指すことは考えていませんでした。週6、7日練習して挑戦した高3最後の夏も西東京大会3回戦敗退。一般受験で日体大に入学した直後、新しいスポーツをやりたいと考えていたとき、食堂で1枚のポスターを見かけたんです。

「日本代表になりませんか?」と一文で大きく書かれていました。僕は日本代表になりたいなんて、それまでの人生で思ったこともなく、なんだか心に響いたんです。「自分が日本代表か、かっこいいな」って、単純な理由で。当時はまだまだタッチラグビーが知られていなかったので、チャンスとも思いました。それで、挑戦しようと決めたんです。

 ルールは全くわかりませんでした。知ってみると、ラグビーと一緒でボールを前に投げちゃいけないという理不尽さ(笑)。楕円球を投げることも難しく、うまくいかない。でも、それが楽しかったんです。野球でショートをやっていて、キャッチングは上手で、すばしっこい動きが僕がやっていたウィングというポジションにぴったり。自分の能力がすごく向いていたんです。

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