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【#キミとONETEAM】「子どもたちへ、私から3つアドバイスがある」―前日本代表HCエディー・ジョーンズ

「辛い時には、自分がうまくできたことを考えてみよう」と語ったエディーさん【写真:松橋晶子】
「辛い時には、自分がうまくできたことを考えてみよう」と語ったエディーさん【写真:松橋晶子】

辛い時には、自分がうまくできたことを考えてみよう

 長い間、ラグビーに携わっていますが、楽しいことも辛いこともありました。中でも、ヘッドコーチとしてW杯決勝で2度負けたことは辛い出来事でした(03年オーストラリア代表、19年イングランド代表)。では、どうやって乗り越えたのか。私は自分たちがうまくできたことについて考えるようにしています。

 決勝で負けた後、うまくいったことを考えるのは難しいかもしれません。でも、目標は達成できなくても、何かうまくできたことはあるはずです。そして、自分の現状と目標の間にあるギャップについて考えてみましょう。そうすると、自分がいま何をするべきか、自分には何が足りないかが見えてきます。これはとても重要なことです。何ができたか、何ができなかったかを見直し、その先のプランを考える。こういうアプローチは大切です。

 そして、この作業をする時は、正直でなければなりません。これが多分、一番難しいことだと思います。自分が目標を達成できなかった時、他人のせいにしたり、状況を言い訳にしてしまうかもしれません。でも、自分がコントロールできるのは自分自身だけ。自分をうまくコントロールできれば、いい結果が得られるはずです。

 正直であることは、世界で一番難しいことかもしれません。正直であるためには勇気がいるからです。誰も自分の悪い部分は見たくないし、見せたくない。自分は正しいことをしたと思いたいですから。その勇気については『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健著)という素晴らしい日本の本があります。少し難しいかもしれませんが、ぜひ読んでみることをオススメします。

 いま大切なことは、時間をうまく使うことです。何かができないと考えるのではなく、何かをできるチャンスだと思ってください。家でスキル練習もできるし、ラグビーの知識を増やすこともできます。いまはみんながストレスを感じ、外に出て太陽の光を浴びたいと思っています。お父さんもお母さんもきっと大変な時を過ごしていると思います。だから、みんなで前を向いて過ごしていきましょう。

【#きょうのトライ「リーチ・マイケルがチームに与えた影響を考えてみよう」】

 子どもたちにピッタリの宿題があります。昨年のワールドカップで日本代表キャプテンだったリーチ・マイケルがチームにどんな影響を与えたか考えてみてください。特に、彼がリザーブからスタートし、途中出場した試合でチームをどう変えたか、考えてみてください。

■エディー・ジョーンズ

 1960年1月30日生まれ、オーストラリア出身。現役時代はフッカーを務め、ニューサウスウェールズ州代表に選ばれた。92年シーズン後に引退。その後はオーストラリアで教職に就いていたが、96年に東海大のコーチとなり、指導者の道を歩み始める。スーパーラグビーのブランビーズのHC、バーバリアンズのコーチなどを経て、01年にオーストラリア代表HCに就任。03年W杯では決勝まで進んだが、イングランドに延長の末に敗れた。イングランドのプレミアシップ、サラセンズのHC、日本のサントリーのHCを経て、12年に日本代表HCとなり、15年W杯では「ブライトンの奇跡」と呼ばれる南アフリカ戦での勝利に導いた。同年からイングランド代表HCに就任し、19年W杯では決勝へ導くが、惜しくも南アフリカに敗れた。

(次回はタッチラグビー日本代表の奈良秀明さんが登場)

【注目】現役、OB、指導者ら豪華メンバーが連日登場 ラグビー連載「#キミとONETEAM」全一覧はこちらから

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)

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