アフリカに渡った元Jリーガーの執筆コラムvol.5「中町公祐、所属チームなくなりました」
昨年1月、ザンビアリーグのZESCOユナイテッドFCに移籍した中町公祐。異例のキャリアを歩む34歳が人生を振り返り、自らの言葉で想いをつづる連載「中町公祐アフリカ挑戦記」。第5回は「私、所属チームなくなりました」。
異色の人生を歩む元横浜FMの34歳MFが自らつづる連載「中町公祐アフリカ挑戦記」
昨年1月、ザンビアリーグのZESCOユナイテッドFCに移籍した中町公祐。異例のキャリアを歩む34歳が人生を振り返り、自らの言葉で想いをつづる連載「中町公祐アフリカ挑戦記」。第5回は「私、所属チームなくなりました」。
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新型コロナウイルスが感染拡大する中、リーグ戦が中断に突入していたが、突然、所属チームがなくなる事態に。いったい何が起きたのか、その舞台裏をレポート。また苦しい立場に追い込まれてなお、前向きな思いも明かした。
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全世界でコロナウイルスが猛威を振るっていますね。世界のあらゆる地域でイベントやスポーツの開催が中止や延期になっています。
ザンビアプレミアリーグも国からのスポーツイベントの自粛要請に伴い試合が中断している、と思われます。相変わらずこの国で正確な情報をキャッチすることが非常に難しく、またあらゆる場面に置いて決定が変化するので「この前、こう言ってたじゃん」なんて感覚は持ち合わせず、柔軟な対応とメンタルの持ち様が常に求められます。
世界的にも今回のコロナウイルスの様に正確な情報がどれほど重要でどれほど価値があるか、現代の世の中では大事な要素の一つですね。
人類が手を取り合い、困難な今の状況を打破しなくてはならない中、私、中町は所属するチームがなくなりました。
なくなったというといろんな捉え方ができるかもしれませんが、チームは存続しております。自分がチームを離れました。離れた? 離れなくてはならない状況になってしまった? この2020年が明けてから何が起きたか。今回のコラムはそこをテーマに話させてもらいます。
ザンビアプレミアリーグは2019-2020年シーズンよりヨーロッパと同じシーズン時期の開催に移行したため、日本のJリーグとは違い、年末年始も公式戦を行っていました。
自分自身としては2019年の終わりから2020年の年明けにかけてかなり調子も上がっており、チーム内での手応えも十分だったので、チャンスをものにしようと虎視淡々と狙っていました。
前節では後半ラストの数分間での出場で(自分で評価しますが)ザンビアではあまり見られない柔らかいパスでアシストを決め、周りからの反響も大きく変わった1月早々の試合。後半開始早々に出場、そして数分で負傷退場。顔に大きな傷を負ってしまいました。
相手ともつれた際相手のかかとが振り下ろされ、目の下をヒット。一目見て続行不可能、自分でもこれは無理だなと思うほど深い傷だったので、そのままピッチの外へ。ベンチ横で医療用ホッチキスで5針バチっと。
若かりし頃の自分なら顔に大きな傷を負ってしまったことにショックを受けていたかもしれませんが、今回は何よりもチャンスを掴みかけていた矢先に、それをものにできなかったことが何より痛いというもどかしさが先にきましたね。負傷部分がえぐり取られる様なものだったので、結果的に完治し、復帰するまで1か月かかる怪我となってしまいました。
結果としては、この怪我が自分のチームでの立場を確定的にしたのかなと、今は思っています(不可抗力の怪我ではあったのですが)。